地方を滅ぼす「成功者への妬み」のひどい構造 「3つのネチネチ」で成功者はつぶされていく

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しかし「馬鹿な行為」と決めつける人は、極めて個人主義的な考え方で、「自分にとっての損得」でものごとを考えているのです。短期的にはマイナスでも、中長期的、あるいは地域全体という視点に立てばプラスになる挑戦であり、挑戦者を「馬鹿」と言ってしまってはその地域には未来がないわけですが、地域の中では「あいつは馬鹿だ」と言ってしまう困った状況があります。

さらに、困ったことに、挑戦者が成功すると物事はさらにこじれます。

成功者は「すばらしい」と言われるのではなく、「あいつはずるい」と言われてしまうことが多くなるからです。当然ながら、地域における事業は万人にすべて均等に富を配るようなものなどありませんし、不可能です。公の行政事業でさえ受益者の濃淡は出るわけで、それが民間事業であれば、「できるだけ多くの人にかかわってもらおう!」と考えたところで、当然ながら個々人の受益には差が出ます。自分たちが恩恵にあずかれない事業で成功すると、「あいつらだけずるい」となって足を引っ張り、どうにかして失敗させようと試みたりするのです。

挑戦者や成功者を潰す「3つの方法」とは?

では、どうやってそうした成功者を潰しにかかるのか。やり方はそれこそ多種多様ですが、ここでは典型的な3つの方法について触れたいと思います。

(1)事業に予算をいれて潰す

地域で成果を収めた事業は、思いのある数名の有志でお金を出し合い、小さく始めたものが多くあります。

しかしながら、地域で成果を収めると行政や組合などが横から入り、行政補助や事業組合の予算を用いて、類似する事業の立ち上げを支援することがあります。実は、昔、私たちが東京の早稲田で取り組んでいた環境まちづくりもその罠にかかりました。自分たちで小さくとも稼ぎ成果をあげていた事業でしたが、早稲田と類似する「環境まちづくり事業」を商店街で行うと補助金が出るという制度を国や地方が立ち上げ、潰されていきました。

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