「地方のことは地方で考えよう」。こんなことが言われて久しくなりました。しかし、地方が策定するさまざまな計画は「どこかで見たような内容」ばかりであることがいたるところで見られます。「今は地方が独自に決められる」と言われているのに、なぜ複数の地域が似たような事業を実施して共倒れになっていくのでしょうか。この背景には何があるのでしょう。
その病巣の1つが「なんでも外注依存」です。
地方を蝕む「なんでもかんでも外注主義」とは?
今の地方のさまざまな業務は、計画するのも外注、開発するのも外注、運営も外注、と、なんでもかんでも外注するような状況です。「名ばかりコンサルタント」たちの適当な仕事の問題もまったく消えず発生し続けている背景には、実際には地方側が「なんでも外注」しているからという、「発注者側の問題」もあります。
もう4年ほど経ちますが、地方創生政策がスタートした際は、事実上、地方創生総合戦略のほとんどが外注にまわされ策定されました。では今どんな結果となっているか、はみなさんのご存じのとおりです。「地方が独自に考えて計画を出しなさい」といったのに、結局東京のコンサルなどに「計画を考えてください」と地方が頼んでしまったりする奇っ怪な状況が多発していました。
その後も「移住定住のキャンペーンをやってくれ」と外注したり、「地元をPRする動画を策定してYouTubeでいっぱい再生されたい」といった外注をしたり、「ふるさと納税をもっと集める企画を考えてほしい」などの外注もしています。ひたすら外注、外注、外注です。
しかしながら、こうした依頼を受注するような東京本社の有名企業もシンクタンクなどは、全国津々浦々まで知り尽くしているわけでもありません。また、地域の状況に応じてゼロから提案を作るわけでもありません。どこかでやったことを、データベースから引っ張ってきてつなぎ合わせて計画をまとめたり、はたまた同じようなイベント事業を別の場所で展開したり、揚げ句の果ては「ヤバイ開発」をそのまま複数地域に提案して、実際に地方が大失敗していることもあります。
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