ビール廃棄物からできた「小麦粉」のすごみ 食品廃棄物を減らす出発点になるか

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ビールの廃棄物から小麦を作るベンチャーを始めたヒメネス(写真:George Etheredge/The New York Times)

ビールは、ある人にとっては仕事をした日を締めくくるのに最高の飲み物だ。バーサ・ヒメネス(35)にとってビールは、食品廃棄物をなくす出発点だ。

ビール醸造所は、再利用が可能な使用済み穀物を日に何百万キロも廃棄している。動物の餌や堆肥化できる製品、加熱用燃料として一部再利用もされているが、食品としての価値はほぼ生かされてこなかった。

クラフトビールが抱えていた「問題」

ヒメネスは、使用済み穀物を使って小麦粉を作る小規模なスタートアップ「ライズプロダクツ」を創業。ニューヨークや遠く離れたイタリアのサステナブルなベーカリーやレストランにその小麦粉を使ってもらおうとしている。

エクアドル出身の移民であるヒメネスがビールの材料を再利用することを思いついたのは2015年、ニューヨーク大学タンドン工科大学院の博士課程にいたときだ。産業廃棄物の削減を研究する中、主に移民の仲間とともにサイドプロジェクトを始め、クラフトビールに目をつけた。クラフトビールはみんなに愛されているのに、問題を抱えていたからだ。

ヒメネスが暮らすブルックリンには20のクラフトビール醸造所があり、どこも使用済み穀物は廃棄している。ヒメネスはクラスメートでライズプロダクツの共同創業者のアシュウィン・ゴピとともに、醸造所を回ってサンプルを提供してもらい、穀物の再利用法を探ることにした。

ゴピは、グリーンポイント・ビア&エール・カンパニーのブルワー(当時)のジェフ・ライオンズに連絡を取った。

「彼らは廃棄物を削減しようとしていると私に言った」と振り返るライオンズは、すぐさま学生たちが運べるだけの穀物を提供した。「使用した穀物にはまだ栄養価があるのに、私たちはただ捨てていた」

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