コーヒーが「命取りになる人」が持つ遺伝子

代謝の違いが反応の違いを生んでいる

カフェインの効果は人によって異なる(写真:grandriver / iStock)

缶コーヒーでも、コンビニの100円コーヒーでも、とにかくコーヒーを飲まないことには1日が始まらない、という人は多いだろう。

だが、カフェインの効果は人によって異なる。濃いコーヒーを飲むと、シャキッとして夜も眠れなくなるという人もいれば、頭はさえるけど、眠れなくなることはないという人もいる。

カフェイン代謝のスピードに差

カフェインが運動能力に与える影響も、人によって差がある。ワークアウト前に少量のカフェインを摂取すると、たいていの人はより長い時間、より精力的に体を動かせるが、普段とまったく変わらないという人もわずかにいることが、過去の研究からわかっている。

この違いは遺伝子が原因ではないかと、トロント大学のアフメド・エルソヘミ教授(栄養学)は考えた。もともとエルソヘミ教授は、食品や食生活の効果に遺伝子が与える影響を研究している。

すでに「CYP1A2」という遺伝子多型が、カフェインの代謝スピードに影響を与えることは過去の研究からわかっている。ある型のCYP1A2遺伝子は、カフェインのスピーディーな代謝を促す。このタイプのCYP1A2を両親から1つずつ受け継いだ人(高活性型)がカフェインを摂取すると、一瞬頭がさえるが、ほどなくして効果は消えていく。米国人の約50%がこのタイプと考えられている。

一方、カフェインの代謝を遅くする型と、速くする型を1つずつ両親から受け継いだ人は、カフェインの代謝スピードはほどほどになる。そして両親から受け継いだCYP1A2が、どちらもカフェインの代謝を遅くする型なら、その人は「カフェインに弱い人」だ。代謝スピードがほどほどの人は米国人の約40%、遅い人は10%程度と考えられている。

次ページカフェインに弱い人がコーヒーを大量に飲むと
ライフの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 不安な時代、不機嫌な人々
  • 新型コロナ、長期戦の混沌
  • フランスから日本を語る
  • iPhoneの裏技
トレンドライブラリーAD
人気の動画
東芝、会社「3分割」に残る懸念
東芝、会社「3分割」に残る懸念
節約志向で「安い食品ばかり買う」人の重大盲点
節約志向で「安い食品ばかり買う」人の重大盲点
百貨店の最終兵器「外商ビジネス」が抱える難題
百貨店の最終兵器「外商ビジネス」が抱える難題
EVの切り札?夢の「全固体電池」は何がスゴいのか
EVの切り札?夢の「全固体電池」は何がスゴいのか
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
「非財務」で生きる会社、死ぬ<br>会社 企業価値の新常識

今や株価を決める最大の要因は「非財務情報」というのが世界の常識に。優れた開示を行えば企業価値の向上につながる一方で、開示が不十分だと株を売られるリスクも。企業価値の新常識をめぐる混乱とその対処法に迫りました。

東洋経済education×ICT