コーヒーが「命取りになる人」が持つ遺伝子 代謝の違いが反応の違いを生んでいる
エルソヘミ教授の研究チームは以前、遺伝的にカフェインに弱い人がコーヒーを大量に飲むと、心筋梗塞になるリスクが高まることを発見した。代謝が遅いから、カフェインが長時間にわたり体内にとどまり、その血管収縮作用によって心臓発作になりやすくなるのだ。
では、CYP1A2の型は、カフェイン摂取後の運動能力にどのような影響を与えるのか。この問題に数年前から取り組んできたエルソヘミ教授の研究チームが3月、専門誌に研究結果を発表した。
たいていの人はカフェインを摂取すると…
それによると、研究チームは若い男性アスリート100人を集め、まず彼らのCYP1A2がどの型か調べた。そしてエアロバイクをできるだけ速く10キロこぐのを3回繰り返してもらった。
ただし毎回、マシンに乗る前にカフェインを摂取してもらう。1回目は少量(体重1キロあたり2ミリグラム。大きなカップでコーヒー1杯分に相当)。2回目は、1回目の2倍の量。そして3回目は、カフェインのふりをして偽薬を摂取してもらった。
その結果、たいていの人はカフェインを摂取すると運動能力が向上することがわかった。だが、そのレベルはCYP1A2の型によってかなり差があった。
カフェイン代謝が速い遺伝子を持つ人たちは、2回目のカフェイン摂取後にバイクをこぐスピードが、3回目の偽薬後(つまりカフェイン摂取量はゼロ)よりも約7%速かった。一方、カフェイン代謝がほどほどの人たちがバイクをこぐスピードは、2回目と3回目でほぼ変わらなかった。