ビール廃棄物からできた「小麦粉」のすごみ 食品廃棄物を減らす出発点になるか
ライズは現在、ブルックリンの複数のビール醸造所で使われた穀物を週に約545キロ加工している。小麦粉500グラムを製造するのに2キロの穀物が必要だ。
ビジネスの拡大を目指すライズは、資金や助言を提供してくれる複数のアクセラレーターに応募した。2016年にヒメネスが博士号を取得後、ニューヨーク市のアクセラレーター「Food-X」に参加、小麦粉の製造を加速するための機械化の事業計画も完成させた。同プログラムを通して紹介された弁護士の支援を受け、昨年にはその製法の特許も出願している。
いずれは出身国でも
ライズはさらに、食品廃棄物などの問題に取り組んでいるローマのアクセラレーター「Laudato Si’ Challenge」にも昨年参加した。フランシスコ・ローマ法王の回勅からインスピレーションを得たプログラムだ。
同プログラムの発表会でヒメネスとアギーレはバナナブレッドを作り、出席していたバチカンのピーター・タークソン枢機卿に試食してもらうと、気に入ってもらえた。「誇らしかった」とアギーレは振り返る。
ライズはビール醸造所の廃棄物以外にも挑戦したいと考えている。ワイナリーやジュースバーで使用された食品など、含水率が70%以上あれば使うことができる。
インドやリトアニア、韓国など出身国がさまざまなライズの創業者たちは、米国の外にも目を向けている。
「長い目で見れば、私たちはこれを自分たちの出身国など外国にも持ち込むことができる」とヒメネスは言う。「人々が持つことを制限しないテクノロジーに注目したい」
(執筆:Larissa Zimberoff記者、翻訳:中丸碧)
(C)2017 The New York Times News Services
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