ビール廃棄物からできた「小麦粉」のすごみ 食品廃棄物を減らす出発点になるか
ビールの製造には穀物、主に大麦麦芽が使用される。まずそれを温水に浸し、アルコールを作るうえで重要な糖分を分解させる。その糖分が液体の状態になると、穀物は廃棄される。
大麦は健康的だと知っていたので、ゴピとヒメネス、そしてもう1人の共同創業者のジェシカ・アギーレは大麦をそのまま食べてみた。使用済みの穀物は、重さがないことを除けば見た目と味は玄米に似ている。3人はそれをポリッジと混ぜ、クッキーとケーキを作った。
すべて手作業のため価格は割高に
だが、その乾燥した穀物をベーカリーに持っていって反応を探ってみたものの、関心を持ってもらえなかった。
そんな中、ブルックリン・ベイカリー・ランナー&ストーンのオーナー、ピーター・エンドリスが彼らに提案したのが、小麦粉を作ることだ。「ビールの穀物の再利用法としては理にかなっていると思った」とエンドリスは言う。
ライズプロダクツは現在、クイーンズのロングアイランドシティにある商業用のキッチンで小麦粉を製造している。穀物をオーブンで乾燥させてから挽いて製粉し、ふるいにかけてきめの細かい小麦粉にする。
すべて手作業なため、1キロ当たり卸売価格で18ドル、小売価格で35ドルもする。創業者らは、資金を調達してもっと大きな場所に移転し、作業を自動化できれば価格は下がるだろうと話す。食品廃棄物削減への関心が高まっているため、多くのシェフやパン職人が、ライズプロダクツの「スーパー小麦粉」に強い関心を寄せている。
ランナー&ストーンでは、エンドリスがライズの小麦粉と中力粉を半分ずつブレンドしてショートブレッドクッキーを作っている。