日本上陸!グーグルスマホ「ピクセル」の全貌 事業責任者を直撃、AIでカメラが大きく進化
――ピクセル2に比べ、どのような機能が進化しましたか。
ピクセルの機能の柱はカメラだ。世界最高のスマホカメラという評価をもらっている。ハードウエア、ソフトウエア、そしてAIの力を結集できるからこそ、よい体験を提供できる。
新たなカメラ機能の1つが「トップショット」だ。写真を撮った時に目を閉じてしまったり、くしゃみをしてしまったりすることがあるだろう。シャッターボタンを押した前後1.5秒の間に撮った写真の中から、目を閉じたり、くしゃみをしたりしているものをAIが認識したうえで、写りのいいものを「おすすめ」として表示する。
「フォトブースモード」という機能は、オンにし続けているかぎり、笑顔や“変顔”をAIが認識すると自動的に写真を撮るもの。昨年、自動的によい表情を検知して撮影する「グーグルクリップス」というカメラを発売したが、そこで培ったアルゴリズムを活用している。自撮りをしようとしたときに指でシャッターを押してぶれてしまう…なんてことも起こらなくなる。
暗いところでもはっきりとした写真が撮れるようになった。「夜景モード」という機能は、露出度の違う写真を瞬間的に何枚も撮って最適な明るさのものを合成する「HDR+」という技術を用いている。この技術は、遠くまでズームしてもはっきりとした写真が撮れる「超解像ズーム」機能にも応用されている。ズームをすると手ぶれすることが多いが、何枚も写真を撮ってさまざまな部分を結合させることにより、きれいな画質になる。
独自の半導体チップでAI処理
――AIの処理はどのような仕組みで行われているのでしょうか。
カメラのAI処理は、クラウド上ではなく、すべてスマホのデバイスの中で行われている。「ピクセル・ビジュアル・コア」という半導体チップを搭載し、このチップ上で機械学習のアルゴリズムを動かしている。もちろん、従来から搭載しているクアルコムのチップの力も大きい。
ピクセル2にもデバイス上の機械学習処理によって動く機能があった。「Now Playing」というもので、レストランなどで流れている曲を聴き取って、スマホのスタンバイ画面に表示する。そんなちょっとした機能を動かしていたが、今回中核となるカメラもデバイス上だけで処理できるようにした。
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