日本上陸!グーグルスマホ「ピクセル」の全貌 事業責任者を直撃、AIでカメラが大きく進化

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――アップルがiPhoneでハードウエアブランドとして強固なものを築いてきた一方で、グーグル=ハードウエアという認識は広がっていないと思います。どのように確立していきますか。

アップルは約30年、ハードウエアビジネスを続けている一方で、われわれはまだ3年目に突入した“新入り”に過ぎない。(検索エンジンなどウェブサービスとしての)グーグルブランドは広く知られている。一方で、ピクセルというブランドは今まさに投資を続けているところだ。

グーグルのラマチャンドラン氏は、良質な「グーグル体験」を通じて、製品に対する顧客満足度を高めていくことが必要だと強調した(撮影:尾形文繁)

ピクセル3の展開地域は14カ国で、まだ限られた範囲。発売時にブランド認識がその地域である程度広がっている必要があるからだ。製品体験に関しても、顧客満足度のスコアを重視している。スマホ市場は10年前に比べれば明らかに飽和している。グーグル体験のメリットを知ってもらい、ピクセルを手に取ってもらう。そして、その次のスマホにもピクセルを選んでもらう。この両面で投資を行っている。

アップルはユーザーのロイヤルティをはぐくむための素晴らしい取り組みをしてきた。われわれはアップルを称賛しているし、同じようなことを成し遂げたいと思っている。

プライバシーの懸念は残る

――アップルとの比較でいえば、彼らは個人情報を基にしたターゲティング広告で収益を得ておらず、プライバシーを重視していることをアピールしています。一方のグーグルは広告収入が大半。さらにSNSの「グーグルプラス」ではセキュリティにリスクがあることがわかりました。

グーグルプラスに関しては、専門家ではないし、おそらくあなたと同じくらいのタイミングで情報を得たので話すことはできない。

ただ、プライバシーはピクセルチームが取り組んでいる中でもコアのものだ。プッシュ通知や設定、ユーザーが許可したものなどはシンプルでわかりやすくするよう心がけている。それらは何よりも重要だ。

セキュリティの観点では、毎月のアップデートが行われる。3年間にわたるソフトウエアの更新保証もある。また、ピクセルには(グーグルのデータセンターでも使われている)「タイタン」と呼ばれるセキュリティのための半導体チップを搭載しており、攻撃から守っている。

――ピクセル事業の強化のため、今年1月には台湾のスマホメーカー・HTCを買収しました。買収後の変化は?

われわれはHTCのエンジニアリング(開発)チームの人員を取り込んだ。今はグーグルの台湾部隊と一緒に仕事をしている。スマホの開発経験の少ないグーグルにとっては、デバイスの開発自体から、通信キャリアの試験、コンプライアンス(法令順守)や国ごとの環境に合わせた試験などで、HTCの力を借りた。製品の投入はグーグルだけでやるよりも、格段に速くなった。

中川 雅博 東洋経済 記者

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なかがわ まさひろ / Masahiro Nakagawa

神奈川県生まれ。東京外国語大学外国語学部英語専攻卒。在学中にアメリカ・カリフォルニア大学サンディエゴ校に留学。2012年、東洋経済新報社入社。担当領域はIT・ネット、広告、スタートアップ。グーグルやアマゾン、マイクロソフトなど海外企業も取材。これまでの担当業界は航空、自動車、ロボット、工作機械など。長めの休暇が取れるたびに、友人が住む海外の国を旅するのが趣味。宇多田ヒカルの音楽をこよなく愛する。

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