日本が「テクノロジー後進国」感半端ない理由 中島聡×夏野剛「エンジニアは自虐をやめろ」

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――シンギュラリティ・ソサエティでは、AIのことだけを意識しているわけではないんですね?

中島:そうです。私たちが言う「シンギュラリティ」は、テクノロジー全般と人間との関係性が大きく変わろうとしている「今」を指しています。そんな「今」、僕らは何をすべきなのかを、皆で議論し、情報発信していく場にしていきたいんです。

じゃあ今、どんなテクノロジーがあるのかといえば、人工知能、自動運転車、ドローン、ロボット、VR/ARなどなど。それらがビジネスを変え、生活を変え、コミュニケーションの仕方や働き方まで変えようとしている。

夏野:なのに、日本の企業経営は新陳代謝が進まないでいる。新陳代謝のないところに変革なんて起きっこない。だったら、企業という枠組みを超えて集まろうと。

(写真:エンジニアtype)

中島:なぜシンギュラリティ・ソサエティをNPOにしたのかといえば、ここのオンラインサロンに定期的に集まるだけでも、尖ったベンチャーで働いているような経験ができるはずだからです。

営利というゴールに向かうしかない「企業」という形をとるよりも、NPOの形態のほうがずっと自由に動ける。

そして、ここで手に入れるベンチャー的な体験の中で、それぞれのメンバーが「新しい何か」「夢中になれる何か」を見つけることができれば、それがまた未来へ向かって膨らんでいく可能性がある。

夏野:私は以前から、インターネットが可能にしてくれた素晴らしさの1つとして、「組織と個人のパワーバランスを変えた」ことを挙げています。才能や情熱さえあれば、個人はいくらでもアイデアや技術を発信していくことが可能になりました。

そしてシンギュラリティの時代である今、僕らは1つの企業に「石の上にも3年」なんて居なくても良くなったんですよ。「石の上には3カ月」だって構わない。短期間でそこにある価値をしっかり吸収できてしまう能力があって、なおかつ「夢中になれる何か」を見つけたら、自由に動き出せばいいんです。

中島:学生の一斉就職なんていう昭和のシステムだって、壊してしまうべきだし、転職だって「しなきゃいけなくなってからする」ものじゃない。欧米ではとっくにさまざまなコミュニティーを通して人脈が広がり、そこから転職や起業のチャンスが発生している。

そっちの方がずっと自然だし、意義がある。例えば私自身、こうして夏野さんとシンギュラリティ・ソサエティで絡むようになって、人間ネットワークを深めたり広げたりするチャンスをもらっています。

いつか何かをやりたくなって、その時、夏野さんの力を必要だと感じたら、いつでも協力し合えるような関係性をどこかで意識しながらコミュニケーションしています。これから未来を創っていく世代に、そういう場も提供したかったんです。

君たちが書いているコードの一行一行が“経営判断”だ

――これからの未来を明るいものにするか、暗いものにするか、テクノロジーの進化を担うエンジニアの役割も大きいと思います。

夏野:もちろんです。そこで僕は日本のエンジニアにズバリ言いたい。「逃げるな」と。AIをはじめとする先端テクノロジーと人間とが向き合っていくシンギュラリティの時代、自らアウトプットをしていける技を持ったエンジニアは最高に強力な存在なのに、重要な決定事項から逃げ出そうとする人がいるでしょ。絶対にだめですよ、そんなの。特に私が嫌いなのは「ボクはエンジニアなのでぇ……」という逃げの姿勢。

中島:そう、それですよ!!!!

夏野:お、なんか刺さった、中島さん(笑)。

中島:分かる! 分かるよ、その自虐的な感じ。

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