セブ島で起業する日本人が急増している理由 英語を学びに来るだけで終わらない
一方、海外ならではの大変さもあります。日本では考えられないコネ社会だったり、思わぬワイロを要求されたりします。外国人をだますことが当たり前の人たちがいることも忘れてはなりません。ただ、新興国で起業する際のこういったデメリットも先述の日本人起業家たちのネットワークによって解消されることがしばしばです。実際に、WAOJEの勉強会などを通じて、会社で起きた横領事件や詐欺の情報などを交換し、そこからフィリピン人との人間関係の作り方、許認可を効率良く習得する方法などを学びあっています。
今から9年前、私がセブ島に英会話学校を作った当初、セブ島で英語を学ぶことが日本人にとっていかに効率的かを熱く語っても、ほとんど相手にされませんでした。ネイティブ信仰の強い日本人にとって、発展途上国のフィリピンで英語を学ぶなど考えられなかったからです。
「セブ島留学2.0」の時代を迎えている
ところが、それから3~4年後、セブ島留学の可能性に注目した日本人の起業家たちが、続々とセブ島にやって来て、英会話学校を作るようになりました。今では、セブ島にある日系の英会話学校の数は「セブポット」というセブの情報誌によると30校にもなります。セブ島に学校を作った経営者たちのそれぞれの努力により、セブ島は現在、年間3万人の日本人留学生が英語を勉強する場所にまで成長したのです。これを私は、「セブ島留学1.0」と名付けています。
そして、本稿で繰り返し述べているとおり、セブ島は現在、英語を学ぶだけでなく、英語で起業もする場にもなってきています。こうした現状を、「セブ島留学1.0」からの進化という思いを込めて、「セブ島留学2.0」と呼んでいます。
さらに現在、「セブ島留学2.0」は次なる段階へ向かおうとしています。なんと、セブ島だけでなく、そのほかのアジアの国々での起業を目指すセブ島留学生が現れ始めたのです。彼らが目指すのは、マレーシア、タイ、ベトナム、カンボジアなどでの起業。成功するかはまだわかりませんが、私は彼らの活動に非常に期待しています。
願はくば、起業家同士が情報を独り占めせずにオープンにしてお互いが助け合うという「セブ型成功モデル」が、これからアジア各国に羽ばたいていく日本人起業家たちにも受け継がれ、そして現地で広がっていくことです。
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