セブ島で起業する日本人が急増している理由

英語を学びに来るだけで終わらない

セブ島で働くもう1人は、ゼロテン・フィリピン代表取締役の勝呂方紀さん(39歳)。リクルートでビジネス経験を積んだ後、社会人向けの英会話学校に留学しました。そんな勝呂さんの起業のきっかけとなったのは、セブ島に視察に来たある日本企業の社長から、セブ島の可能性を聞かれたことでした。その社長は、今後海外展開をするにあたって、どの国から始めるべきか悩んでいたのです。

現在、セブ島にはいろいろな日本の企業が視察に来るようになっています。経済的に成長著しく、まだまだ伸びることが期待される東南アジア各国に可能性を感じ、進出を試みたい企業が増えているからでしょう。しかし、実際にビジネスを展開するとなると、現地で働いてくれるパートナーが必要になります。セブ島においてそんな場合に白羽の矢が立つのが、セブ島留学で英語を学びフィリピンに詳しく、かつ日本でもマネジメントをしていた経験がある日本人です。まさに、勝呂さんのような人材ですね。

セブ島に来る人は起業家志向が強い

勝呂さんはこのチャンスをつかみ、フィリピンにてこの会社の現地法人を設立し、その代表に就任しました。そして、2017年12月、海外初出店となるコワーキングスペースをオープン。今では、スタートアップ起業やフリーランサー、現地のIT起業などでにぎわっています。会員メンバーの国籍もさまざま。フィリピン人、日本人はもちろん、アメリカ人、オーストラリア人、スペイン人、シンガポール人など、実に多様なバックグラウンドの人が訪れているそうです。

「私たちのコワーキングスペースは、起業をする人たちを積極的に支援しており、ITやファイナンスのセミナーを会員向けに無料で行っています。すでにここからアプリの開発や人材派遣などで起業した日本人が何人もいます」と、勝呂さんは話します。「彼らの視点は最初からグローバル。英語を使って、多国籍なチームを組み、さまざまなアイデアを即行動に移していく。セブ島が英語留学だけでなく、“起業家輩出アイランド”として有名になるのも遠くないと思いますね」。

そんな勝呂さんはセブ島で起業した後、現在はハワイ、バンコクにもビジネスを広げています。とてもたくましいです。

セブ島で英会話学校を経営していてつくづく感じるのが、セブ島留学にやって来る人たちには、起業志向が強い人が多い、ということです。英語を身につけるために、アメリカでもイギリスでもなく、日本国内ではまだまだ認知度が低いセブ島留学を選ぶこと自体、そうした傾向の現れかもしれません。

そして実際、ここ数年、留学してからセブ島に残り、起業する人たちも増えてきています。私が知っているだけでも50社以上はセブ島で起業しています。業種は、英会話学校やIT企業、システム開発会社、レストランなど多種多様です。もちろん、全員が成功しているわけではありません。ただ、成功率は高いと感じます。実はそれには理由があります。

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