マレーシアに留学する日本人が急増したワケ

就職活動で「新興国」の経験が評価される

マレーシアでも規模の大きい総合大学であるサンウェイ大学。ここから欧米へ留学することも可能だ(筆者撮影)

日本からマレーシアの学校に留学する学生が増えている。「おまかせ!マレーシア留学」を主宰するKNAIN MALAYSIA社では、ここ数年でマレーシアに留学する学生が急激に増えたと明かす。

同社は2012年から留学サポート事業を開始。いわばパイオニア的な存在だ。しかし、始めた当初は鳴かず飛ばずだった。「大手旅行代理店からの依頼があり、需要が見えないまま始めた。2年くらいは年数十人ベースで、全然ダメだなという感じだった。今やそれが年間短期・長期合わせて合計500人ペースです」と代表の石川徳仁さんは話す。

KNAIN MALAYSIAの石川徳仁さんは、マレーシアに留学する大学生のサポートを2012年から開始している(筆者撮影)

背景の1つには、日本政府のグローバル政策がある。特に文部科学省の「スーパーグローバル大学創成支援」制度や、「スーパーグローバルハイスクール(SGH)」制度、「トビタテ!留学JAPAN」キャンペーンなどで、留学の需要が急激に高まっている。「スーパーグローバルに指定されていない学校からも、学校のカリキュラムで海外に学生を送る動きが増えています」と石川さん。

見逃せないのが、語学留学とともに正規留学が増えていること。それも文科省の動きとはまったく別に、高校を卒業して、自らの意思で東南アジアの大学に進学する学生が増えている。マレーシアの大学には世界各国から学生が来ているが、石川さんによれば、中東やアジアの学生が特に多い。ここに日本人学生が少しずつ増加してきた。

マレーシアに留学する日本人学生たちのコミュニティ「JSAM」を主宰するHELP大学の松野健太郎さんは、「今やJSAMの会員だけで300人以上います」という。

欧米に行きたいが費用がない学生の受け皿に

学生たちはなぜ東南アジアを選ぶのか。1つには、欧米の大学に比べ費用の安さがある。マレーシアには欧米の大学の分校もあり、ここで単位を取れば、生活費も学費も安く済む。取材した4人の学生は全員が費用の問題を挙げた。

テイラーズ大学で観光学を学ぶ土戸悠生さんは、スイス公文学園高等部を経てマレーシアに来た。「英語力をもっと伸ばしたいと考え、日本の大学よりマレーシアの大学の環境のほうがよいと思った」。しかし学費が高く欧米は断念した。

「同じ高校で東南アジアを選んだのは僕が最初です。多文化で英語圏で新興国で、と理由は後付けで言えるけれど、本当の意味なんてそのときはわからなかった。来てみたら勉強は実務が多く面白い。マレーシアももちろん基本的な部分は整っているが、日本やアメリカよりまだシステムが整っていない面もある。トライしてみようよと提案すると良くも悪くも想定外の反応がある」

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