米一流大留学がこうも「人気薄」になった理由 いつの間にか日本人の存在感はどんどん縮小

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日本人がアメリカの大学への留学をためらうようになった背景には、いろいろな要因がありそうです(写真:coleong / PIXTA)

「ハーバード・ビジネススクールから日本人が消えてしまった」と言われて久しい昨今。1990年代のバブル期には金融機関やメーカー、商社の会社員がハーバードやMIT(マサチューセッツ工科大学)、スタンフォードといった、アメリカのトップスクールにMBA留学する光景が当たり前のように見られたが、最近はそこまで聞かなくなっている。

日本学生支援機構(JASSO)によると、日本人留学生は2014年で8万1219人(前年比16.2%増)。海外への留学者数そのものは、少子化が進む中でも減少するどころか、ここ数年で大幅に伸びている。

「大学」への留学に絞って推移を見てみると…

ただし、JASSOの統計は対象を「短期の交換留学等も含む」としている。留学者数8万1219人のうち、実は半数以上の4万8853人が留学期間「1カ月未満」である点には注意が必要だ。大学生が夏休み期間などを利用し短期留学に出るようなケースが多くなっているのだ。

渡航先別ではどうか。これもJASSOの調査によれば、アメリカ(1万8769人)がほかの国に比べ圧倒的に多い。2位のカナダが7373人なので、その倍以上の数だ。これだけ見ると、アメリカは依然大人気の留学先であろうように思えるが、もう少し掘り下げると、ちょっと別の見方もできる。

次に、アメリカの大学への留学に絞って推移を見てみたい。日米教育委員会のまとめによると、アメリカの大学への日本人留学生の数は2014年で1万9064人、前年比で1.4%減少している。最も多かった1997年(4万7073人)と比べると、実に半分以下の水準(59.5%減少)に落ち込んでいる。

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