日本は「おもてなし観光医療」で世界一に 3大シンクタンクが読む2014年の日本①

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2013年も、あとひと月とちょっとだ。今年は「アベノミクス」に明け暮れた年となるかもしれないが、2014年の日本はどうなるのか。そこで今回から6回シリーズで、三菱UFJリサーチ&コンサルティング、みずほ総合研究所、野村総合研究所の有力シンクタンクが、2014年の注目テーマやトピックを分析していく。第1回は「外国人の医療観光」について。三菱UFJリサーチ&コンサルティングの妹尾 康志氏が解説する。
壮年の外国人観光客も多い京都。日本の観光資源を生かし、医療でも需要を取り込みたい(撮影:中原 美絵子)

「医療観光」とは「お金持ちのための旅行」「医療にレジャーを組み合わせた企画」という意味でしょうか? 答えは「ノー」です。「医療観光」は実はたいへんな成長分野ですが、まずは言葉の誤解を解かなくてはなりません。

誤解が多い「医療観光」

原語「メディカル・ツーリズム(medical tourism)」は、「医療を目的とした旅行一般」を意味しており、「医療観光」はその直訳です。海外には自国の医療の水準や価格に不満を持っている人もみられ、そうした人々が外国で医療を受けようと「メディカル・ツーリズム」に出掛けていくのです。

日本では「ツーリズム(tourism)」を一般に「観光」と訳すため、観光=行楽、レジャーという連想が働き、「医療観光」が冒頭に書いたような意味にしばしば誤解されることになった、と言われています。さらに、実際にその誤った定義に基づいて議論がなされている例もあるなど、「医療観光」という言葉が示す内容とその理解には、だいぶ混乱が生じています。

この点、2012年の「医療観光に携わるコーディネーターガイドライン」(観光庁)に、原義に沿った定義が記載され、ようやく正しい理解が共有されつつあります。医療観光は成長分野として大きな期待がかけられています。成長の実現のためには、海外からの誘客活動も重要ですが、その前に国内で正しい理解を進めることも必要です。

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