日本は「おもてなし観光医療」で世界一に 3大シンクタンクが読む2014年の日本①
しかし、医療観光を国策として振興しているのは他国も同様です。そのため結果として激しい競合が起こり、医療観光はすっかり買い手市場になってしまっています。後発とされる日本がこの手法で誘客するのは容易でないことが、徐々に明らかになってきました。他国との競合が少なく、模倣されにくい市場を創造し、確保していく取り組みを、今後は進める必要があります。
「健康観光」という、新たなジャンルを切り開け
そこで登場してきたのが「健康観光」です。幸い、日本には技術のほかにも健康や長寿のイメージがあり、安全やおもてなしについても国際的に高い評価を得ています。これら、日本の誇る見えない資産を最大限に活用して、「健康」をテーマとした訪日旅行提案を積極的に行うことで、新興国の健康意識が高い人々を呼び込み、医療観光潜在層として育てる戦略が有望視されます。この「健康観光」とでもいうべき観光スタイルの提案は、各国を訪れる医療観光の潜在的需要者に対して、いわば入門編として機能することが期待できます。
「健康観光」は旅行業者が中核となって、国や自治体などが支援する既存の枠組みで展開することが可能です。旅行業者が潜在需要を拡大し、医療機関は自らコントロール可能な経路から、顕在化する需要を順次受け入れるという役割分担が成立し、両輪となって機能することになります。
行政機関などにはそうした役割分担の構築を側面支援することが求められるでしょう。近い将来は、「医療観光」と「健康観光」として医療と観光がすみ分ける形で、市場が拡大していくことが予想されます。
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