ところが、それから1カ月後、今度は一転した内容のメールが来た。
「やっぱり国際結婚はリスクが大きんじゃないかと思い、悩み始めています」
そこで、周平と面談をすることにした。
国際結婚のリスクとは?
事務所にやって来た周平が言った。
「僕は、国際結婚に関してネガティブなイメージはなかったんです。でも、あまりにも周りが反対をするので、本当にこのまま進んでいいのかなって思い始めました」
行きつけの理髪店に行ったときのことだ。顔なじみのオーナーに散髪をしてもらっているときに、自分が婚活をしている話をした。すると、そのオーナーがこんなことを言った。
「ウチのお客さんで、結婚相談所で在日中国人の女性と国際結婚をした人がいるんだけど、籍を入れて1カ月したら、女性がいなくなっちゃったらしいですよ。だまされちゃったんでしょうね」
また、大学時代の友人と酒を飲んだときに「結婚相談所で婚活をしていて、中国の女性と交際している」と言うと、猛反対された。
「いくらいい相手が見つからなくても、国際結婚はやめたほうがいい。かなりの確率で離婚になるぞ」
周平は私に言った。
「理髪店のオーナーさんは、僕が中国人女性とお付き合いしているのを知らないから、世間話の1つとして言ったんだと思います。友人が言う、“国際結婚は離婚が多い”というのは、僕も知っています。だからといって、僕とチョウさんがそうなるとは限らないんですが、ネガティブな意見って、前に進む力を止めますよね」
確かに女性がいなくなってしまった話は、私もたまに聞く。親、兄弟、親戚、友人などから反対を受けることも多い。離婚に関していえば、日本人同士のカップルの離婚率が約3割なのに対して、国際結婚は約7割と2倍以上の確率だ。
ただ、仲人をしている立場から、女性の失踪や離婚劇を見ると、一方的に女性だけが悪いとは思えない。男性側が”だまされた”ととらえがちだが、男性側にも問題があるのだ。
日本人同士のカップルが離婚するときにも、そこには当事者にしかわからない事情や理由があるはずだ。
DVやモラハラで離婚した場合は、絶対的にそれをした側が悪い。しかし“価値観の違い”“金銭感覚の違い”“性の不一致”“嫁姑問題”で、離婚した場合は、両者に言い分があるのだ。
結婚相談所で扱う国際結婚には、2つのタイプがある。
1つは、相談室の規定の活動費を自分で払い、お見合いをして、成婚が決まったら女性側が成婚料を払う。これは通常の相談室の活動方法で、日本人との違いは、国籍が外国人というだけだ。
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