もう1つは、男性が女性のお見合い料や成婚料を払う。このケースは、相談室が女性たちから活動費を取っていないことが多いので、成婚料も高いし、その後、配偶者ビザを取ったり、諸々の手続きをしたりするお金も男性側がすべて負担をすることになる。
周平が見合いをしたチョウは、前者の成婚料は女性が払うタイプだった。
しかし、チョウのように自分で活動費や成婚料を払う女性はまれで、結婚相談所での国際結婚は、圧倒的に男性がすべてを負担する形式が多い。
そして、その形式の国際結婚を望むのは、40代後半、50代、60代になっても、「子どもが欲しい」と願っている男性たちだ。出産可能な年齢の日本人女性との結婚が難しいから、国際結婚に目を向ける。
結果、15歳、20歳、あるときは30歳近く年が離れた年の差婚となる。
では、なぜ国際結婚なら年の差婚が可能なのか。それは、中国、タイ、ベトナム、フィリピンなどの女性たちの中には、結婚を“生きていくための方法”ととらえている人たちがいるからだ。
それは、明治、大正、昭和初期の日本がまだ途上国時代だったときの女性たちの結婚観にどこか似ている。
年の差のある国際結婚で生じるリスク
そこから“愛情”が生まれていけば離婚には至らない。ところが、育った文化や環境や言葉の違い、さらに年の差が親子ほどあると、さまざまな問題が生じてくるのだ。
生じる問題を見ていこう。
まず1つ目は、国際結婚を希望している初婚男性は、それまで恋愛をしてこなかった人が多い。内気でまじめで、ただひたすら仕事だけをして年を重ねてきたタイプ。
再婚者に至っても、相談所に登録して国際結婚をするタイプは、まじめ一徹な傾向にある。
彼らは、そもそも女性の扱い方や喜ばせ方がわからず、女性と上手にコミュニケーションを取るのが苦手だ。
2つ目は、年の差による性の不一致の問題。女性は、性的欲求が上り坂の年齢、対して男性は下り坂だ。男性側は、そのギャップを埋めるために、性機能障害を薬に頼ったり、アブノーマルな行為を女性に求めたりする。
20歳上の男性と結婚をし、1年で離婚した27歳の中国人女性から、こんな話を聞いた。
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