ジョンにHave you ever mooned anyone?(いままでに誰かにムーニングをしたことはある?)と聞くと、ちょっと顔を赤らめながら、妙に早口でNever mooned anyone, never been mooned.(したこともされたこともない)と言っていました。なんかやけにムキになってない?
この語源って、尻を「月」になぞらえたってことでしょうかねえ? 月は月でも、ちょっと名月とは言いがたいですね。いったいこの満月にはどんな名前がピッタリなのでしょうか(笑)。でも、こちらの「月見」は、風流にはほど遠いでしょうね。
大か小か?
最後に、月に関してひとつマニアックな興味深い話があります。皆さんは、英語でmoonと書くとき、the moonと書きますか? the Moonと書きますか? 同様に、太陽はthe sunですか? the Sunですか?
英語では、通常「この世にひとつしか存在しないもの」は固有名詞として、初めの文字を大文字で書くというルールがあります。ですから、国名や人名などは、いつも初めの文字が大文字ですよね。
○ Japan (日本) ○ Hanako (ハナコ) ○ Paris (パリ) ○ the Hilton Tokyo (ヒルトン東京) |
✕ japan ✕ hanako ✕ paris ✕ the hilton tokyo |
この法則からすると、「月」も「太陽」も大文字で書くのが正しいはずです。ネーティブでも、「月」や「太陽」は、the Moon、the Sunと大文字で書く人が多くいます。
日本語では、漢字、ひらがな、カタカナの表記について、出版社や機関によって細かく定義されていますが、英語でもやはり表記のルールは各社、各団体によって決まっています。それらの出版社や機関の多くが参考にしているのが、『The Associated Press Stylebook』と『The Chicago Manual of Style』です。
実際の表記のルールとしては、どのように定められているのか、「月」や「太陽」についてHeavenly Bodies(天体)の項目をThe AP Stylebookで参照してみました。すると
惑星や恒星、星座などの固有名詞は大文字を使用すること
〔例〕Mars (火星)、Arcturus(アルクトゥルス)、the Big Dipper(北斗七星)、Aries(おひつじ座)
〔例〕Halley’s comet(ハレー彗星)
〔例〕Helios (太陽〔ギリシャ神話のヘリオスより〕)、Luna(月〔ローマ神話のルーナより〕)
『The Associated Press Stylebook 2003』筆者訳
と書かれています。『The Chicago Manual』でもほぼ同様です。
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