少子化の影響を受けて、「超売り手市場」が続く、就活戦線。最近では親が子どもの就活にかかわるという現象は、民間企業の就職活動では、ごく当たり前に見られるようになっています。大学や高校、専門学校などでは、このニーズに応えるべく、「親向け」の就職活動説明会を頻繁に開催し、相談会などのサポート体制に力を注いでいます。就職サイトなどにも、親向けの情報が増えています。
採用する企業側が「親向け」の説明会を開くというケースも増えています。「就職のことは子どもに任せる」という考えの人もいるとは思いますが、親が積極的に関与することで子どもの望みがかなうなら、協力は惜しまないという親のほうが多いでしょう。
拙著『わが子に公務員をすすめたい親の本』でも述べていますが、実は、この現象が公務員試験の世界にも及んできました。昔を知る人は「まさか~」と思うかもしれません。かつての公務員試験は、学生が自分の力で合格を勝ち取るというイメージでした。しかし、そのまさかが今現実のものとなっています。
きっかけは「両親の意見」
たとえば、徳島県が就職活動を控える大学生の親を対象に「保護者説明会」を開いたことが新聞で報じられていました。この説明会は、県の職員が仕事内容や採用試験について説明するだけではなく、県職員の「父親」が、子どもの就職活動中に、どんな助言をしたかなどの経験談を話すという内容だったようです。
注目は、この説明会が開かれた理由です。県が内定者に行ったアンケートで、県庁受験のきっかけとして、「両親の意見が影響している」との回答が多かったことに基づいて行われた、とされています。まずは親に公務員の魅力を伝えて、子どもに公務員の受験を勧めてもらおう、というねらいです。公務員試験で採用する側の自治体も、親の影響力を認識しているということですね。
親向けの説明会が見られるようになったのは、ここ数年のことです。親向け説明会は、今のところ、特に地方の自治体で多く開かれているようです。地元の就職事情とも関係があるのかもしれません。
そんな公務員試験には実態とは違う俗説がいくつかあります。
「社会人は公務員試験に受かりにくい」という話を聞いたことはありませんか?
無料会員登録はこちら
ログインはこちら