「女性医師が診る患者は死亡率が低い」の根拠

最も死亡率が高いのは女性患者と男性医師

最も死亡率が高いのは、女性患者と男性医師の組み合わせだったが、今回の結果でいたずらに「男性医師はダメ」と解釈されるべきではない。その理由とは(写真:kotoru / PIXTA)

医者を探すときは、性別も気にしたほうがいいのか。

担当医が男性か女性かが、文字どおり生死を左右する可能性があるという研究論文が、8月のアメリカ科学アカデミー紀要に発表された。フロリダ州の研究チームが、過去20年間に心疾患で病院に運びこまれた58万人を調べたところ、男女とも女性医師の治療を受けた患者のほうが、男性医師の治療を受けた患者より、死亡率が低かったことがわかった。これに対して最も死亡率が高いのは、女性患者と男性医師の組み合わせだった。

男性医師と女性医師の違いは?

これまでにも似たような研究結果はあった。2016年にハーバード大学がメディケア(高齢者向け医療保険)を受けている患者150万人を調べたところ、女性医師の治療を受けた患者は、男性医師に治療を受けた患者より、30日以内の死亡率も再入院率も低かった。死亡率の差はごくわずか(約0.5%ポイント)だったが、数に換算すると3万2000人も死者が少ないことになる。

男性医師と女性医師では何が違うのか。ジョンズ・ホプキンス大学公衆衛生大学院の研究チームは2002年、医者のコミュニケーション方法に関する分析結果を発表した。それによると、女性医師は男性医師よりも患者の話を聞く時間が平均2分ほど長いことがわかった。ただ、それが積もり積もると、患者の待ち時間が増え、1日の終わりには男性医師より1時間以上遅くまで仕事がかかることになる。

今回のフロリダ州の研究結果は、「男性医師はダメ」と解釈されるべきではないと、ニューヨーク大学ランゴン医療センターの心臓医ニーサ・ゴールドバーグは言う。重要なのは、患者が自分の話を聞いてくれる医師を探せることだ。「男性だろうが女性だろうが、すべての医師は命を救うことに全力を傾けている」。

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