「女性医師が診る患者は死亡率が低い」の根拠

最も死亡率が高いのは女性患者と男性医師

バー自身も、「次の患者の話は遮らずに、話したいだけ話させてやろう」と実験してみたことがある。その患者は70代の女性で、病院には来たくなかったけれど、家族や友達が心配するので仕方なくやってきたという。そして天気の話をし、せきの話をし、どの薬がいいかわからないと言った。

看護師たちが「時間!」というサインを必死で送ってきたが、バーは話を聞き続けた。ようやく終わったとき、22分が経っていた。

もっと患者の話を聞こうと心掛けるように

バーはその後、彼女の肺がんの予後が思わしくないことを伝えなくてはならなかった。だが彼女はほほ笑んで言った。「これまでとてもいい人生でしたから。でも、お伝えしておきたいのですが、今日は人生でいちばんの診察でした。私の話に耳を傾けてくれたのは、あなただけです」。

それはバーにとっても忘れることのない経験となった。そしてそのエピソードをアメリカ内科学会誌で紹介することにした。実際には、すべての患者にそんなに長い時間をかけることはできないが、このとき以来、もっと患者の話を聞くことを心掛けるようになったという。

「あれ以来、すべての患者に自分の話をするチャンスを与えようと心掛けるようになった」と、バーは振り返る。「話が脱線しそうなときも、もっと優しく軌道修正を促すようになった。患者にとっては、医者が自分の話を聞いてくれている、自分のことを気にかけてくれていると実感できると、病への対処や影響がずっと楽になる」。

(執筆:Tara Parker-Pope記者、翻訳:藤原朝子)
© 2018 New York Times News Service

ライフの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 最新の週刊東洋経済
  • 自衛隊員も学ぶ!メンタルチューニング
  • ブックス・レビュー
  • 不妊治療のリアル
トレンドライブラリーAD
  • コメント
  • facebook
0/400

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
中高一貫校<br>子どもが幸せになる学校選び

中高一貫校人気が戻ってきたが、学校の選び方は変わりつつある。偏差値だけでない子ども本位の物差しだ。自主性重視か規律重視かなど4要素による「校風マトリックス」やランキングなど、独自の分析で子どもに合った学校が見えてくる。