「香港科技大学(HKUST)MBAプログラム在学中のXXと申します。貴コラムの大ファンで、ぜひ当校MBA生と香港で交流会していただきたいというお願いです。今年は韓国から12名、日本から5名入学しております」
これは東洋経済オンライン編集部に大量に寄せられる、「グローバルエリートは見た!」相談コーナーへのお便りの一つで、たまたまわたしが香港に立ち寄った時に編集部から送られてきたので、そこまで熱烈におっしゃってくださるなら・・・と連絡してたった今一緒にランチを食べてきた。
HKUSTに留学する日本人学生2人を親切にも自宅に招いて今しがたまで話を聞いていたのだが、彼らから聞いた香港でのMBA生活について現地リポートをお届けしよう。
HKUSTというとアジアのMBAの中でトップランキングであり、グローバルランキングも急上昇している名門MBAのひとつである。100人という小規模クラスながら学生の国籍は30近くに上り、南米やヨーロッパなど世界中から学生が集まる。
この日本人学生さんは大手総合商社やコンサルティングファーム出身なのだが、感心なことに彼らは「グローバルエリートは見た!」を読み込んでおり、本人が書いたことをすっかり忘れた昔のコラムの背景などを熱心に質問してくる。大きな買い物袋をひっさげてきたのでひょっとしてプレゼントとしてくれるのか、と期待したが、最後まで私に何もくれなかったのは痛恨の極みである。
香港のMBAを選んだ理由
海外MBA留学というと欧米を志望する人が多いが、今日本人のアジアのMBA留学が増えている。欧米への留学生が減少していると嘆かれる昨今、HKUSTの今年の日本人入学生は100人の中、実に5人と過去最高を記録した。
HKUST志望理由を聞いたところ、やはりランキングが急上昇しているのに加え、重要性を増すアジアの成長の中心地で学べること、欧米のMBAホルダーは多いがアジアのMBAホルダーはまだ少ないので経歴に個性を付けやすいこと、また欧米の留学費用に比べ予算もかなり安くすむ(欧米の2年プログラムが生活費込みで2000万円弱かかるのに対して、HKUSTは800万円程度ですむ)ことを挙げていた。
これに加え地理的にも日本から比較的近いので、日本に残してきた家族とも比較的簡単に会えるというのも大きな理由だ。この学生さんは中国語に堪能で上海でも勤務経験があり、マンダリンをしゃべれることもアジアMBAを目指す一つの契機となった。なおこういうと“香港は広東語じゃないか”とすぐ言う人が多いのだが、最近は香港も様変わりして英語がしゃべれない代わりにマンダリン(中国標準語)はしゃべれる、という人が急増しているのである。
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