27歳「外国人女流棋士」の驚くべき意地と根性

ステチェンスカ女流一級の夢のかなえ方

「NARUTO」が好きで将棋にハマったカロリーナさん。なんと英語の将棋雑誌を自ら立ち上げ、編集までしている(編集部撮影)

このところ、将棋界への注目度が高まっている。史上最年少棋士として話題の藤井聡太7段や、「ひふみん」の愛称が流行語にもなった将棋界のレジェンド・加藤一二三氏など、話題に事欠かない。

そんな中、ひときわ異彩を放っているのが、史上初の外国人女流棋士となったポーランド出身のカロリーナ・ステチェンスカ女流一級である。先般開かれたサッカー「ロシア・ワールドカップ」の開催時には、ポーランド戦前後でメディアにも何度か登場しているので、顔を知っているという人も少なくないのではないだろうか。

「NARUTO」で将棋に目覚めたが…

現在27歳のカロリーナさんは、ワルシャワ出身。高校生のころ、「NARUTO」を通じて将棋と出会い、ワルシャワ市内の大学を卒業後、2013年に本格的に来日。山梨学院経営情報学部に通いながら将棋を勉強し、2017年2月に晴れてプロとなった。今年4月には同じ「カロリー」つながりで、「カロリーメイト」の大塚製薬と栄養スポンサー契約を結んだほか、ネットアニメ「すすめ、カロリーナ。」も公開される注目棋士の1人だ。

棋士になることが、高校生からの夢だったというカロリーナさん。しかし、言葉も文化もまったく違うポーランドから単身日本にやってきて、日本人でさえハードルが高い棋士になることは、われわれが想像している以上に大変だったはずだ。彼女はいかにして、「棋士になる」という夢を実現させたのだろうか。単刀直入に聞いてみると、「あきらめずに努力を続けたこと」が夢の実現につながったという。

しかし、この続けるということは、言葉にすると簡単なようだが、実践するのはなかなか難しい。カロリーナさん自身は挫折しそうになったことはないのだろうか。「もちろん何度もあります。勝負の世界は負けがつきものなので、精神的にかなりきつい思いをすることも少なくありません」。

勝負なのだから、勝つこともあれば負けることもある。しかし、やはり負けると悔しい。負けが重なったりすると精神的に追い詰められることもしばしば。特に「3級から2級になかなか昇級できなかったときはきつかった」と振り返る。

カロリーナさんは、外国人女性として初めて、棋士の育成機関である研修会に入会。既定の成績を上げて2015年10月に女流3級となったが、正式なプロとして認められる女流棋士になるには、2年以内に規定の成績をクリアして女流2級に昇格する必要があった。

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