そして、このような状況によっていったいどんなことが起きるのかを示したのが表2である。ここからわかるとおり、同じセンター試験の持ち点でも、各大学の配点で換算すると「大きな点差」が生じる。
表2の「素点」の欄を見ると、英語や国語の得点率が低いため、全体では82%の得点率にとどまっている。だが、82%では医学部合格のレベルには到底及ばない(参考:医学部合格に必要な「異常に高すぎる最低点」)。
全教科の中で国語の比率が高い最も愛媛大の配点で換算しても、合計では同様に82%の得点率にとどまる。一方、この成績を奈良県立医科大の配点で換算すると、合計では何と90%の得点率にハネ上がることになる。奈良県立医科大は国語の比率が低く、逆に高得点が取れた理科の比率が高いため、このような結果になる。
こうしてセンター試験の配点を換算した結果を見ると、自分に合った志望(受験)校がわかるように感じるかもしれない。だが、そう簡単な話ではない。いくらセンター試験の持ち点が高くても、2次試験との相性が悪ければ最終的に合格できないからだ。
志望(受験)校を決める際は「センター試験の持ち点」だけでなく、「センター試験と2次試験おのおのの配点比率」「2次試験の出題傾向と自分との相性」など、あらゆる角度から総合的に判断する必要がある。
前ページの表1のとおり、国公立は2次試験においても「配点パターンは多種多様」である。総合的な判断が必要であることに留意しつつ、志望校を見極めるといい。たとえば、得意科目の配点が高い大学を選び、苦手科目の配点が高い大学は避けることも、1つの選択肢だろう。
私立では「理科で確実に得点」が鉄則
一方で、私立の一般入試の配点には次の傾向がある。
●「英語と理科重視」配点は国際医療福祉・順天堂・東邦のみ
●「3教科均等」配点は帝京(他パターンもあり)・東海・藤田保健衛生のみ
結論から言うと、私立の配点には「定番型」があり、国公立と比較すると配点パターンは少ない。
受験科目は帝京・東海の2大学を除いて英語・数学・理科2科目の4科目が必須であり、理科2科目で満点の40%以上を占める大学が主流だ。理科が苦手な場合は順天堂・帝京などの6大学を中心に受験するという選択肢もある。が、候補は少ないのが現実である。
私立の場合は「最重要教科の理科で確実に得点する」というのが鉄則だ。
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