最近の20代社員が「失敗」「挫折」を怖がるワケ

バカにしちゃダメ!挫折知らずが強いことも

むしろ、新規事業や新商品開発のような「試行錯誤が必要な仕事」、すなわち何度も負けなくてはならない仕事は、すくすく育った人のほうが強い場合があります。ややもすれば苦労知らずで弱いと言われがちなすくすくと育った人は、挫折経験からくる「勝ちたい」「誰かに認めて欲しい」という願望がほとんどないことがあります。

彼らはそういう承認欲求ではなく、自分自身の欲求に従って生きています。多くは、知的好奇心、つまり面白いかどうか、もしくは社会的意義、つまり世の中に役に立てるかどうかがモチベーションです。そういう若者は、別に誰にどう思われようと構いません。だから勝ち負けで燃えることがない代わりに、負けても気にしない強さがある場合があるのです。

業界や仕事によって必要な自信が違う

もちろん、不動産業界などの昔からある成熟した業界や、自動車ディーラーの営業職のようなクルマという確固たる商品を売るような仕事では、今でも「挫折経験を乗り越えた自信」「俺はあの挫折を乗り越えたんだという自信」は強いと思います。そこから来る負けん気が良い方向に働くことでしょう。

ですから、結局は仕事次第だということです。勝ちパターンが決まっていて、後は頑張り次第という場合は挫折経験者タイプが強く、勝ちパターンが決まっていなくて、試行錯誤が必要な場合はすくすくタイプが強い。このように、皆さんの会社の事業や、職場の20代達が行う仕事の特徴をきちんと考えて、どんな人が向いているのかを見極めるのが重要だと思います。どんな状況でも強いという人など、そもそもいないのですから。

文:曽和利光/株式会社 人材研究所(Talented People Laboratory Inc.)代表取締役社長
1995年 京都大学教育学部心理学科卒業後、株式会社リクルートに入社し人事部に配属。以後人事コンサルタント、人事部採用グループゼネラルマネジャーなどを経験。その後ライフネット生命保険株式会社、株式会社オープンハウスの人事部門責任者を経て、2011年に同社を設立。組織人事コンサルティング、採用アウトソーシング、人材紹介・ヘッドハンティング、組織開発など、採用を中核に企業全体の組織運営におけるコンサルティング業務を行っている。
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