最近の20代社員が「失敗」「挫折」を怖がるワケ

バカにしちゃダメ!挫折知らずが強いことも

そんな背景で、今年も会社には人事の選考をかいくぐって一定数の「挫折経験のある人」が入って来ます。しかし、さまざまな人事の方の話を聞いたり、実際の20代と話をしたりしていると、残念なことに「挫折経験のある人」は現在では特に強くもなく、自信のある人でもないようです。

むしろ、表題のように、新しい仕事に取り組ませても、失敗を恐れて最初の一歩踏み出すことができなかったり、職場や仕事になかなか適応できず五月病になってしまったり、挙げ句の果てには早期退職したりすることさえあるというのです。「挫折を乗り越えた」は「自信」につながるのではないのでしょうか。それとも、今の世の中では通用しないのでしょうか。

その理由は、昔と今とでは仕事の特徴や質が変わってしまったので、必要な自信の種類が変わったからではないかと私は思います。昔の戦後から高度経済成長を経てバブル期ぐらいまでの日本は、欧米など目指すべきものがありました。自分達で考えなくても、どうすれば勝てるのか、勝ちパターンがわかっていました。

だから、仕事で成果をあげるために必要なことは創造性というよりは、努力と根性です。行くべき方向、なすべき方法は決まっているのですから、あとはそれを他人よりもどれだけたくさん、早く、ちゃんとできるかが勝負です。こんなとき、挫折経験を経ている人は強い。あの挫折をもう二度と味わいたくないと、負けてなるものかと頑張れます。

負けることができない「挫折経験者」

ところが、今はもう勝ちパターンがわかりきっているというような仕事は多くありません。試行錯誤を繰り返して勝ちパターンを見つけることから始まる仕事が増えています。こういう仕事において、挫折経験からくる「勝ちたい」人が昔のように勝てるのかというとそうはいきません。

彼らは負けたくないから、承認欲求を満たしたいから頑張るわけですが、勝ちパターンが決まっていない仕事では、何度も負け続けなくてはなりません。そうしているうちに、負け続けることに耐えられなくなって、「失敗が怖い」「もうやりたくない」となるのです。せっかく「あの挫折」から抜け出したのに、もう情けない境遇に自分の身を置きたくないということです。このように、今は必ずしも「挫折経験のある人が強い」とは言えません。

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