部員130人、広陵野球部の強さ支える補欠の力

スターいなくても再び甲子園出場決めた名門

地方大会でベンチ入りできるのは20人、甲子園は18人だけだ。130人の部員がいる広陵では、8割以上の選手がベンチの外から試合を見ることしかできない。ベンチ入りメンバーでも試合に出られる人間は限られている。

ならば、補欠はチームの勝利に関わることができないのか?

補欠でもチームの力になれることを証明してくれるのが、広陵野球部だ。それを象徴するのが昨年のキャプテン、背番号18の岩本淳太だった。

昨夏の甲子園でベンチ入りした18人のうち出場機会がなかったのは1年生キャッチャーの鉤流大遂とキャプテンの岩本だけだった。

ドラフト候補の中村をはじめ、エースの平元銀次郎など腕に覚えのある選手たちの能力は高かったが、まとまりがなく、最後の夏まで勝つことができなかった。それを変えたのが春からキャプテンになった岩本だった。

チームをまとめることに徹したキャプテンの存在

中井監督は言う。

「淳太はもともとピッチャーだったんですが、ひじを故障していて、僕の前で強気な発言をすることはない。でも、よくよく聞いてみると、生徒間のミーティングや3年生だけのミーティングではメンバーに厳しいことを言うらしい。選手としてもあきらめていないから、練習もものすごくやる。生徒には『淳太にやらすぞ、おまえら、ええか?』と言いました。

淳太自身、ひじの状態が悪くて、選手として使われることはないとわかっていて、そこは割り切って、キャプテンとしてチームをまとめることに徹しました。だから、淳太なしでは語れんチームですよ」

岩本は高校に入ってから2度右ひじの手術をしていた。患部はまだ完治せず、その夏の甲子園でも戦力にはなれなかった。岩本の前のキャプテンだった中村は言う。

「淳太はAチームで投げたこともあるし、故障が多くてベンチに入れず控えと一緒に練習していたので、ベンチ外のメンバーの気持ちもよくわかります。両方を知っているのでキャプテンにふさわしいと思いました。淳太がキャプテンとしてやってくれるので、僕は試合に集中できるようになりました。

淳太はちゃんと筋が通っていて、間違ったことをしたらちゃんと言ってくれる男で、チームを引っ張ることができます。僕が試合中に気の抜けたプレイをしたら、すぐに注意されました」

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