「100回大会で100勝」目指す龍谷大平安の戦い

原田監督「平安の監督は仕事ではなく使命」

8月1日の甲子園見学でベンチ前に整列しあいさつする龍谷大平安ナイン(写真:共同通信社)

 記念すべき、100回大会を迎えた全国高等学校野球選手権大会。第1回大会(1915年)は大阪・豊中グラウンドで行われ、第10回大会(1924年)から、現在の阪神甲子園球場に戦いの場が移った。

振り返ってみると、高校野球は大正、昭和、平成と、3つの元号とともに歴史を重ねてきた。そして、今夏の100回大会が「平成最後の夏」となる。時代が変われば、人の価値観も、社会が求める人間像も、高校生の気質も変わる。

それによって、監督の指導方法も変わっていくものだ。かつては、「トップダウン」「スパルタ」「理不尽」が当たり前の世界だったが、近年は「自立」「ボトムアップ」「主体性」「対話」という言葉がキーワードに挙がるようになった。

次の100年に向けて、高校野球はどのように変わっていくのか。あるいは、変わらずに大切にすべきことは何か。「不易流行」という考えもあれば、「温故知新」という考えもあるだろう。

現場に携わる指導者は、100回の節目に何を感じているのだろうか――。

過去と今を生きる伝統校・実力校の監督9人に、高校野球の未来をテーマに語ってもらった。

それが、拙著『名将たちが語る「これから」の高校野球 ~伝統の継承と革新~』である。

それぞれ、夏の大会前に取材をさせてもらったが、原田英彦監督(龍谷大平安・京都)、斎藤智也監督(聖光学院・福島)、中井哲之監督(広陵・広島)が甲子園出場を決めた。対談をお願いした森林貴彦監督(慶應義塾)と平田徹監督(横浜)が、北神奈川と南神奈川を制し、たまたまではあるが優勝監督対談となった。

平安の監督は仕事ではなく使命

「100回大会で甲子園100勝」

取材のときから熱く語っていたのが原田英彦監督である。この夏は、京都大会6試合で70得点3失点と圧倒的な強さを見せ、4年ぶり34度目の夏の甲子園出場を決めた。

子どもの頃からの平安ファンであり、自身も高校時代は平安でプレーした。ただ、甲子園には縁のない3年間だった。高校3年夏は優勝候補に挙げられながらも3回戦で清川栄治(元広島)のいた京都商に敗れた。高校時代は平安の低迷期と重なっていた。

敗戦後、バスに乗ろうとすると、多数の平安ファンが押し掛け、傘の先で「何しとんのや、お前ら!」とどつかれた。当時の監督はバスから引きずり降ろされ、「先に学校に戻って、ちょっと待っといてくれ」と選手に告げたまま、数時間戻ってこなかった。

「ショックだったですね。平安はそういう学校であることは感じてはいましたけど……」

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