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リストラで社員の心をつかめるのか? 「ヒト」の要素を真正面から考える(上)

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  • 中里 基 企業再生ファンド勤務 ターンアラウンドマネージャー
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見上げた根性と鈍感力

私が何年か前に出会ったタイプで、何を言っても動かないという人がいました。仕事ができないというより、そもそも意欲がないようで、仕事をやってくれません。でも仕事を辞めるわけでもなく、年休も欠勤ぎりぎりまでとり、サボタージュも就業規則に反しないすれすれのところで業務をしているわけです。

怒ってもお願いしても、全然、動いてくれないので、私もかなり悩んでさじを投げかけました。

でも、あるときふと気づいたのですが、見方を変えれば、ここまで言って動かない人というのは、よほど根性が座っている人であるということです。周囲からのプレッシャーに耐えて、わが道を行くストレス耐性を持っているわけです。皮肉ではなく、ある意味、見上げた根性というか鈍感力というべきで、そう考えると、この人に合った仕事があれば、きっとパフォーマンスを上げられると考えました。要するにその人への教育やコミュニケーションは問題解決にはつながらず、そもそも配置を変えることが問題解決のヒントでした。

甘いといわれるかもしれません。でもつねに仕事ができる人やできない人は基本的にいません。そうではなくて、ひとりの人の中にできる仕事とできない仕事が共存しているものです。だとするとその人を仕事ができるようにするのは、その人個人というより、その人の適性に合った仕事にあてはめていくこと、本人以上に周囲の見極め方・見方の問題です。

人員の制約は、ほかにも育成や評価にも通じます。「ヒト」の問題は書きたいことがたくさんあり、紙幅も尽きてきたので、続きは次回に委ねたいと思います。

※ 本文は筆者の個人的見解であり所属する組織・団体を代表するものではありません

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