気象庁の言う温度より微妙に暑く感じるワケ 自分や子どもの身を守るには?
さて、下記の写真は気象庁のアメダスで使用されている気温の観測機器です。気温の観測と聞くと百葉箱をイメージするかもしれませんが、今は写真のような形をしています。
写真に写っている通風筒の上部に電動のファンがあり、筒の下からつねに外気を取り入れて、気温を計測しているのです。さらに、東京のアメダスは、北の丸公園の中にあります。緑に囲まれた公園の中で観測を行っているということです。
ここまで書くと、「なんだ、自分たちの置かれている環境とは全然違うじゃないか」と思いませんか? だって、街中を歩くときはアスファルトの上ですし、日なたを歩くことだってあります。風は吹いていないかもしれませんし、通気性のよい服を着ているとも限りません。
事実、7月23日の午後は、私自身は日なたのアスファルトの上を歩いていました。そう考えると、気象庁の観測値ほど精度はよくなかったとはいえ、案外体感温度に近い値が、私の持ち歩く温度計に表示されていたのかもしれません。
車内はたった15分で「危険」レベルに
さて、子どもの場合はさらに過酷な環境に置かれています。人間の大人よりも身長が低い分地面と近いため、アスファルトの照り返しをより強く受けることになるからです。大人の感覚で「まだ我慢できる」と思っていたとしても、子どもにとっては我慢できない暑さになっている可能性が高いです。しかも子どもは大人に上手に症状を伝えることができないので、気づいたら手遅れになることが多いのです。
暑さといえば、車の中も要注意です。ガラスの窓から車内に注ぎ込んだ日光が車内を温め、温まった空気がこもってしまうため、車内の気温は大幅に上昇します。要するに温室効果です。
JAF(日本自動車連盟)の行ったユーザーテストでは、晴れて気温が35℃の日に、エアコンで車内の室温を25℃にしたあと、エアコンを切ってからの車内温度の上昇具合を測定したところ、1時間で車内温度が50℃を超えるという結果が出ました。しかも、エアコン停止からたった15分で熱中症の「暑さ指数(後述)」が「危険」レベルに到達したのです。
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