妙齢女性がこぞって「徘徊」する町の吸引力

呑兵衛の聖地、横浜・野毛のディープな夜

「呑兵衛の聖地」とも呼ばれている横浜・野毛。「野毛都橋商店街ビル」には約60軒ものスナックや飲食店が軒を連ねている(編集部撮影)

スナック女子として全国津々浦々のスナックを巡ってきた筆者にも、あこがれを抱くエリアがある。JR桜木町駅から徒歩10分ほどのところにある、横浜市中区・野毛だ。そこは、庶民的な居酒屋が密集し、「呑兵衛の聖地」とも呼ばれている。その名のとおり、仕事帰りのサラリーマンがその一帯に吸い込まれていく様子が見て取れる。

さらに歩くと、大岡川のカーブに寄り添うように、弓型の「野毛都橋商店街ビル」が見えてくる。横浜市によると、野毛都橋商店街ビルは、1964年の東京五輪に合わせて、路上で営業していた露店を収容するために建てられた。現在では、小規模なスナックや飲食店約60店舗が軒を連ねている。

アポなし取材に厳しい洗礼

60店が軒を連ねる「野毛都橋商店街」。一つひとつの店の個性が際立っている(編集部撮影)

100メートルほど続く2階建ての長屋は、1階は通り側に、2階は反対の川側に、およそ3坪の店と看板が等間隔に並んでいる。独特の光景も相まって、多くの人が訪れるスポットとなっているのだ。別名「ハマのハーモニカ横丁」として親しまれている一帯は、筆者が訪れた日も多くの若者や観光客でにぎわっていた。

いつものように編集者Mと合流し、偵察がてら野毛都橋商店街ビルに足を踏み入れる。ビルの手前の階段を2階まで上がると、ゆったりと流れる大岡川が一望できた。中高の部室を思い起こさせるように、規則正しく扉が並び、色とりどりの看板が目を引く。扉の中からは、笑い声やカラオケも聞こえてくる。

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一部の扉には「会員制」や「一見さんお断り」などと大きく表記する店、すき間から中をのぞきつつ通り過ぎると、突然扉が開き、ママが手招きする店もあった。中央の女性用共同トイレのドアには「女装した男性は一般用(男性用)トイレへ」などの貼り紙もされていた。1階から2階、すべての店をひととおり見て、いざ、アポなし取材スタート。

1軒目の店の扉を開けると、ママが笑顔で招き入れてくれた。しかし、取材をしたい旨を申し入れると「ダメダメ!」とお断り。2軒目では、「めんどくさい、帰れ!」とのキツい対応。さらに3軒目では、「うちは男性だけ! 女性はお断り!」と、ことごとく断られる始末。加えて、目当ての店もオープン前であり、途方に暮れてしまった。

スナ女センサーにビビビ、ときた「まき」。確かにただならぬ外観…(編集部撮影)

なすすべもなく歩いていると、ある建物が目に飛び込んできた。道と道の間に挟まれた三角地帯に建ち、昭和を彷彿とさせるノスタルジックな雰囲気が周囲とは異なる風格を感じさせ、まるで、野毛都橋商店街の“門番”のようである。看板にある「スナック まき」という文字を見た瞬間、スナ女センサーが強く反応するのを感じた。

「ここはきっと良い店ですよ。入りましょう!」(筆者)

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