妙齢女性がこぞって「徘徊」する町の吸引力 呑兵衛の聖地、横浜・野毛のディープな夜

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「お! ご近所スナ女登場か?」と思ったが、ママの娘さんとのこと。名前はミホさん。東京で働きながら、夜はママのお手伝いをしているらしい。そんなミホさんに、最近の野毛都橋商店街について聞いてみた。

「まき」は野毛を紹介するポスターの”モデル”に選ばれたこともある。地域では知らない人のいないスナックだ(編集部撮影)

「うちの周りも、野毛都橋商店街ビルもそうだけど、最近は若い女性客が増えてるわね。狭いエリアなんだけど、バルや立ち飲みバー、スナックまで何でもあるわ。男性しか入れないお店もあれば、逆に男子禁制のバーもあって、深夜まで何軒もはしごしている女性をよく見掛けるわ」(ミホさん)

世代交代で若い人の店も増えている

女性客が増えているというのは、スナ女としてもうれしい傾向だ。周辺環境に詳しいミホさんに、さらに突っ込んで聞いてみた。

「野毛都橋商店街ビルは市の持ち物だから、賃料が安いこともあって、みんな空くタイミングを待ってるのよ。その情報を知りたいがために、通ってるお客さんもいるみたい。古いお店もたくさんあったけど、世代交代で若い人のお店が増えてるわね。今じゃ、うちの店がいちばんの古株になっちゃって。この建物もかなりレトロでしょ。『常盤荘』っていうんだけど、2階は今も住居として入居している人もいるのよ」

常盤荘の中。昭和感満載だ(編集部撮影)

ミホさんに案内してもらい、常盤荘を訪れた。中は裸電球に照らされたノスタルジックな木の廊下が続く。どこからか80年代のアイドルソングが漏れ聞こえてきた。さらに奥に進むと、住居に続く階段が。昭和のにおいを色濃く残す、まさに昭和遺産だ。……と昭和にタイムスリップしていたら、結構いい時間になっていた。店に戻って会計を済ませ、再び野毛都橋商店街ビルに乗り込むことにした。

1階の路面店は多くの人でにぎわっていた。だが、筆者の目指す店は2階にある。階段の踊り場にあるポストで店名と部屋番号を確認し、店の前まで行った。しかし、看板には明かりが灯っていない。中の様子をうかがうが、何ら音がせず、エアコンすら動いていないようだ。

「今日は無理か……」

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