日焼けクリームと日焼け止めはどう違うのか 意外と知らない、初夏からの「すごい技術」
日焼けクリームと日焼け止め
近年、ブームを経てすっかり普及した感のある「美白」。しかし、以前は「ガングロ」が人気の時代もあった。本当にファッションは移ろいやすい。そうはいっても、夏の海に似合うのは、いつの時代も、やはり小麦色の肌だろう。
だが、太陽の紫外線でむやみに肌を焼いては、とにかく皮膚へのダメージが大きい。そこで利用されるのが「日焼けクリーム」である。
ところで、「日焼けクリームを塗ったのに全然こんがりと焼けなかった」というのはまさに“あるある”の話だが、それは「日焼けクリーム」と「日焼け止めクリーム」を間違ったからだろう。当然のようだが、「止め」が入るか入らないかで、効果はまったく逆になる。
日焼けクリームと日焼け止めクリームの違いを理解するため、まず、太陽から放射される紫外線の性質を見てみよう。紫外線とは、光より波長の短い、すなわちエネルギーの強い電磁波だが、その性格から、UV-A、UV-B 、UV-Cの3種に分けられる。Cは大気で遮断されて地上には届かないため、日常生活で考えなければならないのは、A、Bの2種である。
Bのほうは波長が短く強烈で有害であり、肌に炎症(サンバーン)を起こさせる。Aは波長が長く穏やかで、肌を日焼け(サンタン)させる。小麦色の肌は「日焼け」なのだ。そこで、「日焼けクリーム」はBを妨げ、Aだけを通すのである。一方の「日焼け止めクリーム」は、AもBも両方妨げるものだ。