日焼けクリームと日焼け止めはどう違うのか 意外と知らない、初夏からの「すごい技術」

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まず「制汗」の仕組みについて。スプレーならば、それを吹きつけた部分が冷却されるので、必ず制汗効果は生まれる。そこで、商品の売りとしてプラスアルファが求められる。いかに汗腺に働きかけて発汗を抑えるかという工夫が商品のセールスポイントになるのだ。たとえば、スプレーに混ぜられた成分が汗腺に入り、直接発汗を抑える、といった商品もある。

汗腺をふさぐ制汗剤のしくみ(イラスト:小林哲也)

人の汗自体には実はニオイがない

次に「制臭」。意外かもしれないが、人の汗自体には実はニオイがない。皮膚の常在菌が、汗を食べて繁殖する際に出す分解物が臭うのだ。そこで、ニオイを出しやすい脇の下などを殺菌すれば、汗のニオイは少なくなる。さらに、出された分解物を浄化してもニオイはなくなる。人気があるのは、銀イオンを含ませた商品。銀イオンは人に無害で、殺菌や浄化の効果が強いからだ。

現代の日本人は、ニオイを抑えることに特に熱心といわれる。実際、デオドラント商品でいちばん売れているのは「石けんの香り」らしく、これはとても控えめな香りだ。フランスに目を転じると、ニオイを楽しみ、積極的にアピールする文化がある。男性も香水をつけるのが当たり前なのが、その一例だろう。日本も近い将来、フランス同様、「制臭」ではなく「発香」の文化が普及するかもしれない。そのとき、制汗スプレーの香りとして、いったいどのようなものが好まれるのだろうか……。

ニオイが発生するメカニズム(イラスト:小林哲也)
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