抗菌グッズはどうやって菌を抑えているのか

意外と知らない、よく使う「すごい技術」

身近にあふれる「抗菌」の仕組みを知っていますか?(写真:blackie0335 / PIXTA)
私たちが普段の生活でよく利用する「モノ」にはみな、人々の暮らしに普及しうるだけの優れた技術がある。たとえば「抗菌」マークが貼られたサニタリー用品や文房具。今ではもう、抗菌グッズが出まわり始めた頃すらわからないほど私たちの日常に溶け込んでいるが、「抗菌」を身にまとった製品を次々に世に送る各メーカーは、さまざまな工夫、“なるほど”の技術を大活用しているのだ。
新刊『雑学科学読本 身のまわりのすごい技術大百科』を著したサイエンスライターの涌井良幸・貞美両氏に、よく使う生活用品の「すごい技術」について、イラストを使いながらわかりやすく解説してもらった。

「抗菌グッズ」のそもそものメカニズム

私たちの暮らしにだいぶ普及した感のある「抗菌グッズ」。サニタリー用品や衣類、文具など、身の周りの多くを抗菌でそろえられるほど品数は豊富だが、そもそも本当に菌の繁殖を抑える力はあるのだろうか。

「抗菌」に類する言葉には、「殺菌」「滅菌」「除菌」がある。これらには「菌を積極的に殺す」という意味があるのだが、「抗菌」の意味は少し異なる。

経済産業省「抗菌加工製品ガイドライン」によると、「抗菌加工した当該製品の表面における細菌の増殖を抑制すること」を、「抗菌」と定義している。したがって、「抗菌」と表示されていても、殺菌や滅菌の効果は期待できない。あくまで「菌が繁殖しにくい効果を期待した製品」なのである。

抗菌グッズは、抗菌作用のある物質を素材に練り込んだり、化学反応で結合させたりすることで製造され、一般的に「抗菌剤」や金属を用いる方法が知られる。抗菌剤は細菌の生命機能を乱したり破壊したりするもので、茶の成分・カテキンが有名だ。

抗菌剤で抗菌加工された繊維の例(イラスト:小林哲也)
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