抗菌グッズはどうやって菌を抑えているのか 意外と知らない、よく使う「すごい技術」
最近は、一部の抗菌剤が有害だという話も出ている。抗菌ブームは「不潔恐怖症」と呼ばれる現代人のヒステリーの現れともいわれ、極端に神経質になって抗菌グッズで身を固めると、かえって体によくない結果を及ぼすかもしれないので注意したい。
クールビズ以後、一気に普及した「吸汗速乾ウエア」
「抗菌」で解消・軽減する菌と同様、私たちにとって“不快なもの”の1つといえる「暑さ」。最近は、地球温暖化対策などの面から、冷房だけに頼らず夏の暑さを乗り切る工夫が求められている。そんな中、汗を吸いやすくてすぐ乾く「吸汗速乾(きゅうかんそっかん)」をうたうウエアが開発されている。その技術の一端はこうだ。
まずは、多重構造化された素材から作られたウエア。内側に太い繊維、外側に細い繊維というように多層化すると、毛細管現象を利用してポンプのように汗を内側から外側に移動させ、蒸散させられる。さわやかな肌着やスポーツウエアにちょうどいい。
次に、汗による湿度を感知して通気調整する素材。これは、湿度で変形する繊維で織られた生地を利用している。汗で生地が濡れると、通気性が悪くなって衣服内が蒸れる。それを防ぐため、乾燥時には縮れて通気性を抑え、発汗時には伸びて通気性をよくする繊維で生地を織るのだ。こうした生地は、汗をかくと織り目が開き、乾くと元の状態に戻る。そのため、サラッとした蒸れないウエアになる。