eスポーツ選手は、なぜ本名を使わないのか 報道で2つの名前が併記される「違和感」

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クラロワリーグでは解説も務めるYoutuberのドズル氏(筆者撮影)

『クラッシュ・ロワイヤル』でトッププレーヤーとして活動しながら、「クラロワリーグ」で実況も担当しているドズル氏は「現在は本名を公開していません。する予定も今のところありません。公開しないのは特に深い理由があるわけではなく、逆に公開する理由がないと思っているからです。公表自体はいつしてもいいと思っています」とのこと。

プレーヤーネームと本名がリンクしている人はまだまだ少ない感じですが、それでも本名を公表している人が大半という結果になりました。次に、公表している場合や今後公表する予定を考えたとき、現状のプレーヤーネームから本名への移行を考えているかも聞いてみました。

本名への移行を考えているか?

「私の主な活動範囲である格闘ゲームに関していえば、その魅力の源泉は、アーケードコミュニティから連綿と受け継がれた歴史それ自体にあるととらえています。新しい世代の方々がどういった選択をするのかはわかりませんが、アーケード時代からの活動を続けてきた身としては、その歴史の痕跡を自ら消し去ってしまうようなことはできそうもありません」(ハメコ/金子氏)

「今後、公式的にプレーヤーネームを名乗るか、本名を名乗るか、現時点では特に決めておりません。理由としては海外では、キャスターが本名を名乗るケースが多くなく、プレーヤーネームで認知されており、私も海外ではアールとして認知されているからです。今後、日本のeスポーツシーンでキャスターが本名を名乗ることが増えてきた場合、臨機応変に対応し、本名を名乗るイベントも出てくるかもしれないと考えています」(アール/野田氏)

「現在はまだシフトするという考えはありません。自分のハンドルネームは本名をもじった名前のため、愛着があり独特な名前ゆえに覚えてもらえているという節があるからです」(トンピ/福岡氏)

「本名を公開するのと同様に、シフトする理由ができれば、その際、検討します」(ドズル氏)

「eスポーツプレーヤーのトップレベルの人たちは、本名を公開している人が多くなっています。ヨーロッパだとプレーヤーネームの選手も多いですが。本名を使うメリットとデメリットは両方ありますが、本気でeスポーツを取り組む人は本名で活動したほうが得な気もします。本名を公開するのを嫌う人は、結構何かやらかしてしまう感じの人というのもあると思います」(StanSmith/岸大河氏)

多くの現役eスポーツキャスターは、必要があれば本名に移行することもやぶさかではないと考えているのもわかりました。ただ、これまでの活動実績とプレーヤーネームとして認識している人がいるため、アイデンティティとしてプレーヤーネームを使用するという意見が、もっともな意見として腑に落ちました。

また、海外では地域差があるものの、プレーヤーネームをデフォルトとしている地域も多く、eスポーツの世界標準をベースとして考えるのか、日本のスポーツシーンをベースとして考えるのかでも、意見が分かれそうなところです。

プレーヤーネームでの活動と本名での活動のどちらが主流になるかは、未知数であるとしか言いようがないですが、それはこれからeスポーツに興味を持ち、参加してくる将来のファンや選手にかかってくるのでしょう。

いっそのことeスポーツという括りを撤廃してしまえば、こういった悩みや問題もなくなるとも言えるのですが――。

岡安 学 デジタルライター

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おかやす まなぶ / Manabu Okayasu

eスポーツを精力的に取材するフリーライター。ゲーム情報誌編集部を経て、フリーランスに。さまざまなゲーム誌に寄稿しながら、攻略本の執筆も行い、関わった書籍数は50冊以上。現在は、ウェブや雑誌、ムックなどで活動中。近著に『みんなが知りたかった最新eスポーツの教科書』(秀和システム刊)、『INGRESSを一生遊ぶ!』(宝島社刊)。@digiyas

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