eスポーツ選手は、なぜ本名を使わないのか 報道で2つの名前が併記される「違和感」
多くのeスポーツ選手のトップランナーは、本名を開示しているケースが多く、ネットの本名を晒す行為を避けるといった感覚ではないようです。それでも多くの選手がプレーヤーネームを未だに使い続けているのには、これまでeスポーツを応援してきたファンに対して、急な呼び名の変更による混乱を避けるためであるわけです。
昨年8月、アメリカのラスベガスで開催された「EVO 2017」の『ストリートファイターV』部門で優勝し、8月3~5日に同じくラスベガスで開催された「EVO 2018」でも『ストリートファイターV』部門で準優勝を果たしたときど選手は、出演したテレビ番組で谷口一と紹介されており、東洋経済オンラインの記事で登場していただいた『大乱闘スマッシュブラザーズ』のトッププレーヤーのあばだんご選手も河村裕太として取材を受けていただきました。対戦格闘ゲーム界のレジェンド的存在である梅原大吾選手は、ウメハラという表記や海外でbeastと呼ばれることがあっても、基本的には本名で活動をしています。
ほかにもオンラインゲーム由来でも、アジア競技大会の種目に選ばれたタイトルの日本代表選手選考会で勝ち抜いた選手はすべて本名を公表しています。
リアルスポーツにおいても、リングネームなどの選手名を付ける選手はいないわけではありませんが、こちらもほぼ廃れた文化になりつつあります。プロレスやプロボクシングなども30~40年前は、リングネームを付けているのが当たり前でしたが、現在、リングネームを付けている選手はかなり希少な存在です。プロレスの場合は、マスクマンという特異な存在があり、その場合は現状に当てはまっていないので、すべてというわけではありません。
eスポーツ界隈も、徐々にではあるものの、プレーヤーネームを使わなくなっていく方向に進むのではないでしょうか。
実況者は本名を使っている
もう1つeスポーツの流れで、プレーヤーネームを使用しているのが、動画配信で実況や解説をしている方々です。彼らももともとはゲームプレーヤーであり、選手を兼ねていることがほとんどです。したがって、プレーヤーネームをそのまま実況や解説をするときも使用しているのが現状です。
しかし、スポーツ実況を行っている人にプレーヤーネームを使っている人はほとんどいません。先日、朝日放送のアナウンサーだった平岩康佑氏が独立し、eスポーツ専門のアナウンサーとなりましたが、当然、本名での活動となるわけです。
eスポーツの実況をしている人の中には10年以上のキャリアを持ち、テレビやラジオなどの放送局のアナウンサーと同等の経験を積んだ方もいますが、プレーヤーネームのせいで、放送局のアナウンサーと同格には見られなくなってしまう可能性はあるわけです。
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