eスポーツ「JOCから冷遇されている」は本当か アジア競技大会開会式に参加できない理由
8月18日よりジャカルタ・パレンバンで開催される「第18回アジア競技大会」では、eスポーツがデモンストレーション種目ながら大会の種目として実施されます。
5月27日にアジア競技大会のeスポーツ登録タイトルの6タイトル中5タイトルの日本代表選手が決定し、6月8~10日に香港で開催された東アジア予選を通過し、アジア競技大会本戦に出場する3人の選手が選出されました。
この結果を受け、eスポーツの日本代表が開会式に出場できないという記事が掲載され、JOC(日本オリンピック委員会)のeスポーツに対する対応について疑問視されています。ただ、記事には情報の出所が書かれておらず、実際のところJOCがeスポーツに対して非協力的であったのかどうかはわかりませんでした。そこで、JOCの担当者に取材し、今回の顛末と、eスポーツとJOCの関係に対して話を聞いてきました。
特にeスポーツに非協力的なわけではない
結論から述べると、「JOCは特にeスポーツだからということで、非協力的であったり、特別な手段をとっていたりするわけではありません」(日本オリンピック委員会広報・企画部長の柳谷直哉氏)ということでした。
今回の問題点の1つであったアジア競技大会の開会式に出場できないという話は、そもそもデモンストレーション種目、公開種目に関しては、これまでも日本代表としての参加はしておらず、日本選手団としての登録はしていないとのことでした。いわゆる一般参加と同じ扱いで、渡航費の負担がなかったり、選手村への入村ができなかったり、開会式などのセレモニーに参加できなかったりするのは、これまでと同様のことなのです。
そもそもオリンピックはIOC(国際オリンピック委員会)、アジア競技大会はOCA(アジアオリンピック評議会)が主催となっていますが、大会ごとにその国に大会組織委員会が発足され、そこが主体となって企画、運営がされます。最終的な決定はIOCやOCAと相談して決定されるのですが、実務的には大会組織委員会が行うわけです。
その大会組織委員会がデモンストレーション種目の存在は近々まで発表していませんでした。4月2~3日に行われたワードプレスブリーフィングにおいて、JOCは、種目確定の言質を得ましたが、そのときもデモンストレーション種目の話は出ていませんでした。
5月にデモンストレーション種目としてeスポーツをやるという話をJeSU(日本eスポーツ連合)から通達され、NOC(各国のオリンピック委員会、日本であればJOC)を通じて、アジア連盟(アジアフェデレーション、通称AF)に提出するという流れになったと柳谷氏は言います。
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