eスポーツ「JOCから冷遇されている」は本当か アジア競技大会開会式に参加できない理由

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

一般的なイメージでは各スポーツ団体がそのスポーツの国際大会などにすぐに参加できるよう、あらかじめJOCに加盟しておくというようなものだと思いますが、実際は国際大会でそのスポーツが採用されることにより、JOCに加盟し、参加できるようにするわけです。つまり、順番が逆なわけです。現状では次回のアジア競技大会(杭州)から正式種目になるので、その大会に参加するため、JOCに加盟する段取りとなるわけです。

JOCの加盟団体規定によると、正加盟団体は以下の要件を満たしていなければなりません。

(1)法人格を有し、事業を行うのに必要な経理的基礎及び技術的能力を有していること。
(2)当該競技における唯一の国内総括団体であること。
(3)国際オリンピック委員会承認の国際競技連盟に加盟していること。
(4)オリンピック競技、アジア競技大会その他の国際総合競技大会に参した実績を有し、かつ、引き続きこれらの大会における実施競技とされていること。

とあります。また、準加盟団体については以下の要件が必要となります。
(1)と(2)は、正加盟と同じ。(3)の内容が以下のように変わり、(4)がありません。

(3)オリンピック競技、アジア競技大会その他の国際総合競技大会の実施競技として決定されていること。

承認団体が満たしていなければならない要件

さらに承認団体というものがあり、これは正、準加盟以外の団体で、以下の要件を満たしていなければなりません。

こちらも準加盟と同じく、(1)と(2)は同じで(3)の内容が以下のように変わります。

(3)定評のある国際競技連盟の開催する国際競技大会に継続して参加すること等により、本会が承認するにふさわしい活動実績を十分に有していること。

実際、東京オリンピックで新種目となったスケートボードとサーフィンはそれまでJOCに加盟しておらず、東京オリンピックの新種目として追加が発表されたのち、条件付きの準加盟として2016年にJOCに加盟登録がされています。

この準加盟は2020年の大会終了時までという期間限定のものですが、次回のオリンピックでも採用されるなど、正加盟や準加盟の条件が整えば、延長されたり、再加入になったりします。条件付き準加盟は、正加盟の下というよりは、短期間で加盟できたり、これまでオリンピックなどで参加実績を得られていない種目に対して救済的なシステムといった感じです。

次ページeスポーツは、まず準加盟を目指す
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事