ソニーは、なぜおかしくなってしまったのか

丸山茂雄氏「ちょっとソニーの話をしよう」

2人で記念撮影(筆者撮影)
1967年にCBS・ソニーレコード設立と同時に入社し、EPIC・ソニー、ソニー・コンピュータエンタテインメント(現:ソニー・インタラクティブエンタテインメント)、ソニー・ミュージックエンタテインメント(SME)などの創業立役者として活躍した丸山茂雄氏に現在の音楽産業、日本の産業のこと、そしてソニーのことなど、広範な話を聞いた。ロングインタビューを3話に分けてお届けする。現在のソニーの経営についてもズバリ直撃した。

ちょっとだけソニーの話をしよう

「出井さんは大ソニーのトップの器ではなかった」(筆者撮影)

黒川:ちょっとソニーの話をお聞きしてもいいですか。この期に及んで、というと失礼ですけど、ソニーはいわゆる「アイボ」といった、かつてのプロパティを今になってまたやろうとしたりしています。

いわゆる20年のブランクみたいなもの。出井(伸之)さんから始まって中鉢(良治)さん、(ハワード)ストリンガーさん、平井(一夫)さんまでの期間というのは大きなブランクであり、損失であったと僕は思うんですが、それはソニーにとって致し方なかったというか、そうならざるをえない流れというものがあったのでしょうか。もちろん、大賀さんが出井さんを指名したっていうのがあるんでしょうけど。

丸山:大賀さんはソニーに大変大きな貢献をしたけど、出井さんを指名した時に理由を聞かれて「消去法です」って、つい言っちゃったんだよね。それはなんでかっていったら、後継社長にと思ってた人がスキャンダルっぽいことに襲われて……あれも『週刊文春』の記事だったよね。それで、その人が候補から落ちちゃったんだけど、今度はその対抗馬が「あ、俺に回ってきた」ってんで振る舞いが極めて、横暴になってしまったんだよ……。

それで、その有力候補もいなくなって、しようがないっていうんで出井さんになったわけだけど、その「消去法で選んだ」ってのが出井さんのプライドをいたく傷つけて。それが大きかったんだけど、でも俺から言わせれば……そもそもトップになる準備をしてなかった人が社長になっちゃったから、そのあと迷走したってことだよね。

そこで「あ、やっぱり俺は大ソニーの社長の器ではないな」って考えてくれればよかったんだけどね。早めに次に渡さなきゃいけないなって。ところが、やっぱりソニーの社長の座っていうのは……。

黒川:手離したくないと思ってしまうものなんでしょうか。

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