ソニーは、なぜおかしくなってしまったのか 丸山茂雄氏「ちょっとソニーの話をしよう」
黒川:お話をお聞きしたいっていう提案をしても「いや、もう話すことないから」「もうゲームと関係ないから」とけんもほろろなんです。それはそうでしょうけど、後進の人たちに何か語っていただけることがあると思うんですよ。
丸山:でも、それはアナタにだけじゃなく全員そうでしょ。久多良木さんはこれまでプレイステーションとかソニーに対する発言をほとんどしてないじゃない。
黒川:していないです。それは事実そうですよね。
丸山:いったんタガが外れたら、ものすごいたくさんのことがダーッと出てきちゃうから、あえてストップしているんじゃない? だとしたら、そりゃあ取り付く島ないよね。
黒川:なるほど、そうかもしれませんね。
公式の立場は「久夛良木さんのマネジャー」だった
丸山:その点、俺は基本的に当事者マイナス0.6ぐらいの立場じゃない。当事者が1だとすれば俺は多分0.4ぐらい。そうだよな?
黒川:0.4ですか(笑)。
丸山:だって俺は久夛良木さんのマネジャーっていうのがオフィシャルな立場だったじゃない、アッハハハハ。
黒川:確かに、ずっとそう言われていますよね。
丸山:久夛良木さんの作ったプレイステーションの本丸の家老っていう立場じゃなくてね。俺は自分ができることといったらマネジャー役くらいだし、そういうふうに決めちゃったほうがわかりいいし。だから、コトが終わった後も平気な顔して、こうやってインタビュー受けて気楽にしゃべれるわけだけどね。
黒川:ありがとうございます(笑)。
丸山:まあ、俺が自分でアレをやったんだとか言うと自由度が失われるからね。やってねえって言ってるから自由度があるわけでさ。
黒川:でも、すごく大きな功績だと思いますけどね。
丸山:ずう~っと引いて見ると、大きいって思ってくださる方が中にはいるけどね。じゃあ俺がどんなすごいことやったのかって考えてみたら「思いつかない、ねえよな」ってなるよな。
黒川:いやいや、そんなことはないでしょう。
丸山:いや、そうなのよ。それはソニー・ミュージックなんかのときも同じで、俺がやったのは仕組みを作るとか人員配置とかで特別なことは何もしてない。いちばんヤバいのはいろいろ取っ払うと、俺には専門的な何かがなんにもないんだよ。
黒川:だからこそプロデューサーなんだと僕は常々感じているんです。
丸山:プロデューサーだなんだっていうふうにアナタが定義してくれればそうかもしれない。でも、ホントに何もないからね。むいてもむいてもなんにもない、タマネギかなぁ、みたいな(笑)。
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