今のトップは逃げ切ることばかり考えている

丸山茂雄氏「日本全体が終わってるって思う」

ソニー・ミュージックには、「お利口サン」とか「頭のいいヤツ」はエンターテインメントビジネスにはまったく向かないっていう考え方があった(筆者撮影)
1967年にCBS・ソニーレコード設立と同時に入社し、EPIC・ソニー、ソニー・コンピュータエンタテインメント(現:ソニー・インタラクティブエンタテインメント)、ソニー・ミュージックエンタテインメント(SME)などの創業立役者として活躍した丸山茂雄氏。今でも現役でビジネスに取り組む丸山氏に、現在の音楽産業、日本の産業のこと、そしてソニーのことなど、広範な話を聞いた。
そのロングインタビューを3日連続でお届けする。本記事はその第2話。現在のエンタメ産業の問題点を真正面から批評する。

最悪だったのはインターネット

丸山:最悪だったのはインターネットだよ。ネットの存在自体はいいんだよ。でも、「こんちくしょう」が言葉とか作品のほうに反映されずに、「死ね」とか何とかっていうネット上の悪口だけになっちゃって。そこからもうひとつ上がって、「自分はこう考えている」っていうところまでいかなくなっちゃったんだよね。

「日本全体が終わってるな」って思うよね(筆者撮影)

みんなが「こんちくしょう」からもう一段上がってくれると、それが作品になってね。文学とか音楽とか、そういうものに昇華されるんだけど、そこまでいかないからね。ここんとこ俺は「音楽はもう終わった」みたいなことをよく言ってるんだけど、そういうことなんじゃないかなと思ってる。

黒川:でも、それは時代とかテクノロジーとか人の生き方とかが変化していく中で、変わらざるをえない必然だったとも思います。それで、丸さんは今後どうなると思われるんですか? チャンスも情報もほぼ均質化して、たとえば自分が世に出たいと思えばインターネットもあるし、ほかにもいろんなやり方もありますよね。

でも、そうした中で、かつての音楽のエッジの立っていた部分が薄れたりしてしまった。かつては「この人しかできなかった」ものが誰でもできるようになっちゃった中で、その先に何があるんですかね。

丸山:どんな時代にもね、自分はみんなと同じように群れたくないっていう人は必ずいるわけでね。どういう生物学上の法則があるのかわかんないけど、全人口の何パーセントかはそういう人なんだよな。だから、これからもそういう人は必ず出てくる。どういったところから出てくるかは俺にはわからんけどな。

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