迫力不足が否めない?新日鉄住金の改革姿勢 これで本当に韓国ポスコを超えられるのか

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

「打倒ポスコ」を目指し、昨年10月に新日本製鉄と住友金属工業が合併してから、ちょうど1年が経過した。

2012年度は巨額の最終赤字に沈んだ新日鉄住金だが、10月30日に発表した2013年度上半期(4~9月期)決算は売上高2兆6745億円(前年同期比2.4%増)、営業利益は1392億円(同5.7倍)と大幅に改善した。

これまで経常利益だけを公表していた通期の見通しについては、売上高5兆4500億円(前期比7.2%増)、経常利益3400億円(同3.8倍)、純利益2000億円(前期は2584億円の純損失)と発表した。経常利益は7月時点の見通しに比べ、400億円の上積みとなった。

原料関連で1800億円超の増益要因に

君津製鉄所の原料ヤード

通期比較で経常利益が急激に改善する背景には、原料価格の変動がある。新日鉄住金は年間で数兆円にのぼる原料を購入しており、ここ数年はその価格の乱高下に業績が大きく揺さぶられてきた。

2012年度は原料価格が下落したため、2011年度に高値で仕入れた原料の評価損770億円を計上した。今年度はこの評価損がなくなるうえ、逆に原料価格が上昇したことで50億円の評価益が発生。さらに、2012年度に安値で仕入れた原料を使って生産したことで200億円程度、マージンが改善する見通しだ

※ 記事初出時、「逆に原料価格が上昇したことで2012年度に安値で仕入れた原料の評価益1050億円が、さらに利益を押し上げる格好となった」としていましたが、お詫びして、上記のように訂正いたします。

次ページ原料価格が業績に与えた影響
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事