JFE、ガッカリ決算の裏に“あの国”の影 生産活況なのに利益水準が戻らない!
東日本大震災の復興需要や自動車生産の回復を背景に、国内の鉄鋼大手にもようやく活気が戻ってきた。
「すでに建設や造船向けの厚板工程はフル生産体制に入っている。リーマンショック以前の生産に戻りつつある」(JFEスチール西日本製鉄所の渡辺誠所長)
国内2位の生産量を誇る同社では、来年3月までにほぼすべての生産工程がフル操業になる見込みだ。JFEは今期の粗鋼生産量を2900万トン(前期比100万トン増)と、ピークだった2007年の3052万トンに迫る水準を計画している。
しかし、生産量の回復とは裏腹に、同社幹部の表情は冴えない。「(フル生産という)現場感に比べると、収益は伸びていない」(JFEホールディングスの岡田伸一副社長)からだ。
株価は4%超の下落
鉄鋼大手3社の先陣を切って、JFEHDは10月25日に2013年度上半期(2013年4~9月)決算を発表した。売上高は1兆7283億円(前年同期比18.8%増)、営業利益は前年同期比5.3倍の590億円と、いずれも大幅な伸びになった。だが、事前の市場予想の水準には届かず、同社の株価は2350円と前日比4.24%安で引けた。
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