JFE、ガッカリ決算の裏に“あの国”の影 生産活況なのに利益水準が戻らない!

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JFEスチールは生産した鋼材の半分以上を提携先の中国や東南アジアの鉄鋼メーカーに輸出している。そのほとんどは自動車や家電用の高級鋼であるが、それでも鋼材市況全体の値動きと無縁ではない。中国製の安い鋼材価格に引っ張られて高級鋼の輸出価格も低迷しており、収益改善の足を引っ張っているのが現状だ。

コスト削減も上積みに限界

JFEスチール西日本製鉄所の基幹設備である高炉(撮影:ヒラオカスタジオ)

中国政府も増産に歯止めをかけようと生産調整を進めている。ただ、鉄鋼業は中国の地方政府にとっては重要な税収源となっており、おいそれと生産設備を廃棄するわけにはいかない。

業界内では「中国の過剰生産が調整されるには10年間はかかる」ともささやかれており、日本の鉄鋼メーカーにとっても頭の痛い問題となっている。

JFEHDの岡田副社長は「状況が抜本的に改善するとは思わない。国内の値上げとコストダウンを進める」と語る。製鋼工程の合理化投資や老朽化した設備の改修など、合理化投資を進めることで収益を改善させる方針だ。今期も従来より低品位の原料炭や鉄鉱石を使うことなどで850億円のコスト削減を見込んでいる。とはいえ、こうした施策もさらなる上積みには限度があろう。

困った“隣人”といかに折り合いをつけ、再成長につなげるか。JFEをはじめとした国内メーカーの経営の巧拙が問われている。

松浦 大 東洋経済 記者

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まつうら ひろし / Hiroshi Matsuura

明治大学、同大学院を経て、2009年に入社。記者としてはいろいろ担当して、今はソフトウェアやサイバーセキュリティなどを担当(多分)。編集は『業界地図』がメイン。妻と2人の娘、息子、オウムと暮らす。2020年に育休を約8カ月取った。

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