迫力不足が否めない?新日鉄住金の改革姿勢 これで本当に韓国ポスコを超えられるのか
ただし、2014年度に目を向けると、この状況は楽観視できない。足元の原料市況が軟調に推移しているからだ。仮に、来年度も今のような原料相場の状況が続いたとすると、2012年度と同様、評価損が発生することになる。原料動向しだいでは、来年度業績の不透明感が一層強まる可能性もある。
コスト削減の加速が至上命題
こうした原料事情を踏まえると、増益基調を維持するためには、さらなるコスト削減が不可欠だ。
今年度は経営統合などによって1300億円のコスト削減が実現できる見通し。今後も「上工程は競争力をつけ、下工程はグローバル展開を進め、分業体制を構築する」(太田克彦副社長)として、国内では高炉などの設備更新や効率化投資を進める一方、海外ではメッキラインなど設備増強を加速する方針だ。
その一環として、上半期決算の発表に合わせて発表したのが、国内生産拠点の再編成である。来年4月をメドに、八幡製鉄所と小倉製鉄所、和歌山製鉄所と堺製鉄所、君津製鉄所と東京製造所をそれぞれ統合し、人事交流の促進や管理部門の圧縮を進める意向だ。
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