就活「ターゲット校以外は入社お断り」の実態 4割近い企業が採用重点大学を設定している

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ターゲット採用は学歴採用を意味すると思っている人はかなり多い。「学歴」は「どのような高等教育を受けたか」を意味する用語であり、大学や大学院、専門学校といった最終学歴を指しているが、新卒採用・就職の世界では、学歴は具体的な大学レベルを指している。

そして、学歴採用は、高学歴(難関大学、高偏差値大学)の学生を採用することを意味している。

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しかし、今回の調査によれば、偏差値が高ければ高いほどいい、ということではなさそうだ。どの企業も「優秀学生がほしい」というが、その意味は、入社してくれる可能性があり、ともに働いて成果を上げる人材がほしいということだ。

今回の調査でターゲットとする大学グループを聞いたが、最も多いのは「GMARCH・関関同立クラス」で49%と半数を占める。一方、「旧帝大クラス」や「早慶クラス」は、ともに31%とやや差が開いている状況だ。

もっとも東大、京大、早慶の学生がほしくない、ということではないだろう。難関大学の学生は超大手企業に就職することが多いので、狙っても採用効率が悪いと判断しているのかもしれない。

露骨な差別をする企業はかなり少ない

ターゲット大学を設定している企業は、ターゲット大学の学生と非ターゲット大学の学生を、どのように線引きしているのだろうか? 結論から言うと、それほど露骨な差別を行っているわけではないようだ。

ターゲット大学以外の学生に対する対応についてたずねると、「ターゲット大学より下の大学を選考段階には上げていない」はわずか5%。「ターゲット大学以外は特別ルートのみ対応している(体育会、特定ゼミなど)」の4%を合わせても1割に満たない。機械的にはねる企業はとても少ないのだ。

最も多いのは「すべてを通常の選考ルートに上げている」の64%。次に多いのは「ターゲット大学よりもやや広めに線引きをし、それ以下は選考段階に上げていない」の24%。この2つを合わせると86%で9割に近い。

ターゲット大学を設定していても、明確に門戸を閉ざす企業はかなり少ない。そもそもターゲット大学を設定しているのは4割弱。6割強は設定していない。

それなのに、学生の多くは、大学名でフィルターにかけられていると感じている。この矛盾は長年放置されたままだ。大学フィルターを行っている少数の企業の事例を見て、「企業は大学で選んでいる」と思っているのかもしれない。

おそらく、企業が大学や専攻に関する見解を明示すれば、学生のいらだちはかなり解消すると思うが、開示している企業は皆無。学生のためにせめて採用実績校をわかりやすく公表するくらいはしてもらいたい。

佃 光博 HR総研ライター

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つくだ みつひろ / Mitsuhiro Tsukuda

編集プロダクション ビー・イー・シー代表取締役。HR総研(ProFuture)ライター。早稲田大学文学部卒。新聞社、出版社勤務を経て、1981年文化放送ブレーンに入社。技術系採用メディア「ELAN」創刊、編集長。1984年同社退社。 多くの採用ツール、ホームページ製作を手がけ、とくに理系メディアを得意とする。

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