「若手は出世願望がない?」の謎を解く いよいよやってくる「出世」解禁

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なにせ同期入社組が800人。大半が営業現場に配属されて、営業成績でドンドン出世することが可能でした。

管理職になるまで最短で3年。30歳を迎えるあたりで、肩書も年収も大幅に違う状況になりました。振り返れば、その出世争いが仕事に取り組む起爆剤になっていたのは否めません。それはリクルート社だけでなく、多くの日本の企業でも同様の状況がありました。取材した総合商社に勤務しているGさん(48歳)は、同期入社組の出世状況を事細かに把握していました。

《同期のアイツが次長に抜擢された。くやしい。俺も追いつかないと……》

と悔しい思いを糧に、日々の仕事を頑張ってきたそうです。もちろん、出世をあきらめた同期もいますが、大半は現在でも「少しでも偉くなって、給料を増やしたい」と上昇志向を持って仕事にいそしんでいます。

ただ、そんなGさんも、職場の若手社員からは上昇志向を感じ取ることができません。同期に負けるな……と檄を飛ばすと、露骨に嫌な顔をする。「できれば一生、ヒラ社員でいたい」と宣言までする人も少なくないそうです。ほかの職場ではどうなのか? 同僚に尋ねてみると、似たような状況のようで、

「最近の若手社員は、出世して稼ごうとガツガツした意欲のあるヤツがいない」

と先輩社員が集まって飲むことが増えているそうです。現在、大抵の会社で中核として働いているのは、40代。大量採用時代で出世競争をかいくぐってきたという強い自負があるのでしょう。確かに

「管理職になりたいと思えない。給料も上がらなくてもいい」

とキャリアの低位安定をいとわないと言い切られたら、「価値観が変わってしまったようだ」と感じるのかもしれません。ただ、若手たちは本当に出世したくないのでしょうか? どうやら、本音は違うようです。

若手の本音は?

目の前の上司の仕事ぶりが大変そうにみえるせいで、「出世したくない」と発言する若手社員はたくさんいます。「管理職の仕事は自分には向いていない」など、出世に背を向ける合理的な理由をいくつも挙げることでしょう。

ところが、20代若手社員と時間をかけてコミュニケーションを取り、

「管理職に抜擢されたら、本当に拒否するのですか」

と聞いてみると、答えは「ノー」。

「出世できるならしたい。任せてもらえればやる自信はあります」

とのこと。出世できれば、受け入れる覚悟はできているのです。では、どうして出世に対して関心を示さないのか? それは、自分が置かれた職場環境では出世したくてもできない状態であると認識しているからでしょう。

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